2年後のライダーカップ キャプテン

先週おこなわれた「ライダーカップ」では、ルーク ドナルド率いるユーロチームが敵地アメリカで勝利をあげ、2年前のローマ大会に続いて2大会連続優勝をきめた。ユーロチームが2大会連続で勝ったのは、1985、87年にトニー ジャクリンが率いたチーム以来38年ぶりのことである。

次回の「ライダーカップ」は、2027年9月17日よりアイルランドのアダレマノー(Adare Manor)コースで開催されることが決まっていて、もうすぐユーロチーム、アメリカチームのキャプテンが発表される。

ドナルドは大会直後の記者会見で、自らが3回目のキャプテンを務める可能性を排除しなかった。過去に3回連続でキャプテンを務めたのはバーナード ガラチャーだけで、もしドナルドが次回もキャプテンを務めれば、その記録に並ぶことになる。

あるいはドナルドがキャプテンを後進に道を譲ると決断すれば、今回の大会で選手として戦ったジャスティン ローズ、副キャプテンを務めたフランチェスコ モリナリなどの選手がキャプテン候補にあがる。

3大会連続でチームを優勝に導いたキャプテンはライダーカップ史上まだ誰もいない。ドナルドはそこを目指してもう一回キャプテンを務めるのかどうか?

ドナルドが初めてキャプテンを務めたのは2年前。イタリアのローマで、地元ファンの熱い声援をうけチームがまとまって優勝することができた。しかし今回の大会は敵地開催となり、アメリカチームが有利とされていたので、負けてもいたしかたない状況であった。しかし、その試合にドナルドが勝利できたのは自身の決断力、指導力もさることながら、ユーロチームの選手ひとりひとりの実力がまさっていたことと、チームが持っている運が思った以上に働いたからだろう。

ドナルドが連勝した勢いをかって、かりに2年後もキャプテンを務めたとする。勝てればいいが、もし負ければやっぱりやらないほうがよかったと思うかもしれない。もし新しいキャプテンにまかせれば、彼は初めてのキャプテン任務とはいえ地元開催の有利さのなかでチームが勝利をつかむかもしれない。勝てばそのキャプテンが、その次のアメリカでおこなわれる大会に、少しこころに余裕をもって臨め、ひょっとしたら勝つという好循環となるかもしれない。

ドナルドは自分がキャプテンをして記録をつくることをめざすのか、あるいは自分のときと同様に後進が働きやすい環境をつくってやるのか。彼がどう判断するのか、その判断を待ちたい。