2020 東京オリンピック

来年に迫った東京オリンピックの男子ゴルフは、7/30~8/2の日程で、川越市の霞が関カンツリー俱楽部で開催されます。その開始日である7月30日に誕生日を迎え40歳になる、前回リオデジャネイロ大会のゴールドメダリスト、ジャスティン・ローズは、来年の試合の中で一番重きをおくと明言しています。

東京オリンピックの出場資格は、基本的に国際ゴルフ連盟が算出する”Tokyo 2020 Olympic Golf Rankingsの上位60名によって競われます。このランキングは世界ランキングと似通(にかよっ)ており、また世界ランキング(OWGR)上位15名には、自動的に参加資格が与えられ、残り45名については16位以下の選手のうち、1ケ国最大2名まで資格が与えられることになります。五輪らしく、5大陸から必ず1名は出場できる枠も確保しています。

現在世界ランキング8位のジャスティン・ローズは、怪我や故障がなく今の状態を維持すれば自動的に参加でき、連覇を目指します。日本選手の出場予定者は、オリンピックゴルフランキング12位の松山英樹選手と21位の今平周吾選手。

前回のリオ五輪(2016年)のときは、1904年のセントルイス・オリンピック以来112年ぶりにゴルフがオリンピックに復活し話題となりましたが、オリンピックでの成績が、メジャーの4つの大会や米PGAツアーのトーナメントとの関係においてどう位置づけ、評価づけされるのかはっきりしていなかったことと、当時ブラジルではジカ熱が発生しており、感染した親より生まれたこどもに障害が発生する可能性があるという報道もあり、まだ子供を計画している有力選手(ジェイソンディ、ローリー・マキロイなど)は次々に不参加を表明しました。また、日程的に7月の全英オープンと8月に開催される全米プロ選手権の間となり、ブラジルまで遠征するとなると、かなりきついスケジュールでした。

昨年から4大メジャーの開催月が変更され、4月マスターズ、5月全米プロ選手権、6月全米オープン、7月全英オープンとなりました。全米プロ選手権が8月から5月に移動したため、8月にはメジャー大会が開催されません。東京オリンピック以降も、4年1度開催される夏季オリンピックのゴルフが8月に開かれても、メジャー大会との干渉なく、選手は出場しやすくなります

ヨーロッパ、アメリカ、日本などの先進国では、ゴルフは成熟スポーツとなり、大きな成長は望めません。また、人口減少の問題もあり、プレーする人、観る人の数は減ってきています。しかし、オリンピックの種目にゴルフが復活し、全世界に競技の模様がテレビ中継されることは、ゴルフ人口を増やすうえで、またとない大きなチャンスです。

世界中で、特に人口が急増しているアジア、アフリカの国で、初めてゴルフをテレビで観戦し、世界の一流選手のプレーをみて感動し、ゴルフに興味・関心ももってくれる子供達が、ひとりでも多く生まれてくれるようにというゴルフ関係者のしたたかな戦略を垣間見ることができます。