数多くのゴルフ場の設計を手掛け、日本にも設計したコースが多く存在するピート・ダイ(Pete Dye)が、9日94歳で亡くなりました。ここ数年はアルツハイマー病を患い、介護を受ける日々でした。
1959年から妻と一緒にコース設計を始め、60年間にわたり100以上のコース設計をおこないました。なかでもとりわけ有名なコースは、昨年より開催が3月に移動し、第5番目のメジャー大会と呼ばれる「プレーヤーズ選手権(The Players Championship)」がおこなわれる「TPCソーグラス(TPC Sawgrass)」ゴルフ場です。
距離はそんなにありませんが、池にすっぽりと囲まれたアイランド・グリーンがあるパー3、17番ホールは、ピート・ダイ設計の真骨頂とも言えるホールです。「プレーヤーズ選手権」の最終日、優勝がかかった局面でプレッシャーのため池に入れる選手が出て、毎年ドラマが生まれます。
また、今年9月25日から開催されるライダーカップ(Ryder Cup、アメリカ対ユーロ国の男子チーム対抗戦)の舞台となるアメリカ・ウィスコンシン州ウィストリング・ストレイト(Whistling Straits)コースも彼の設計によるものです。
ウィストリング・ストレイト・コースと言えば、コース内に1200ものバンカーがあることで有名です。ご記憶の方もあると思いますが、2010年ここで開催された「全米プロ選手権」では、最終日18番ホールで、バンカーとは思わずに、クラブをソールしたダスティン・ジョンソンが2打罰を課され、そのためにマーティン・カイマー、ババ・ワトソンとのプレーオフに残れなかった試合がありました。
ピート・ダイは、プレーヤーとしても相当の腕前で、高校時代には州の大会で優勝し、「全米アマチュア選手権」には5度出場、1957年には「全米オープン」に出場しています。ご冥福をお祈りいたします。