東京オリンピック

今週木曜日より開催される欧州ツアー「サウジインターナショナル(Saudi International powered by SOFTBANK investment Advisers)」に出場するブルックス・ケプカ(Brooks Koepka)とダスティン・ジョンソン(Dustin Johnson)が試合前の記者会見で、今年の夏の東京オリンピックについてコメントしました。

現時点でのオリンピック参加資格者ランキングでは、ふたりとも米国を代表してオリンピックに出場する資格がありますが、ふたりとも自身の参加には否定的です。

ケプカは、「オリンピックにゴルフが再び加わってまだ2回目のオリンピックで、歴史が浅い。100m競争、体操競技などの選手にとっては、4年間という長い時間に耐えて、オリンピックに出場することは、非常に名誉なことで、一生に一度あるかないかのイベントである。しかし、我々ゴルファーには1年に4つのメジャー大会がある。自分にとっては、4つのメジャー大会とフェデックスカップ(Fed-Ex Cup, 米PGAツアー年間優勝者)のほうがオリンピックより大切である。また、オリンピックの日程は非常な過密なスケジュールの中に組み込まれている。」

ダスティン・ジョンソンも、「オリンピックで母国を代表して競技することは、非常に栄誉なことにちがいないと思うが、その日程が無理なく組まれているのだろうか。」

今年のスケジュールをみてみると

7/16 – 19   全英オープン

7/30 – 8/2  東京オリンピック

8/13–16 フェデックスカップ プレーオフ開始

8/27–30  フェデックスカップ最終戦

9/22-27  ライダーカップ

確かに、今年最後となるメジャー大会「全英オープン」に向けて全精力を集中し、準備して戦った後、わずか11日後には、東京オリンピックでの競技が始まります。全く異文化の土地で、コースも知らない、高温多湿な気候の中で、再度競技にむけて集中力を高められるかと言えば、かなり難しいのかもしれません。さらに、競技終了後11日で、今度はフェデックスカップのプレーオフが始まります。

優勝するために出場するという意識でプレーするケプカ、ジョンソンらのトッププレーヤーにとっては、かなりハードなスケジュールとなりますので、彼らのコメントは理解できます。オーストラリア代表が確実視されているアダム・スコット(Adam Scott)も今年のはじめに、参加に否定的なコメントを発表しています。反対に、ローリー・マキロイ、タイガーウッズは参加に前向きなコメントをしています。

米PGAは、ゴルフが前回大会から競技として復活したオリンピックに合わせて、いままで毎年8月に行われていたメジャー大会「全米プロ選手権」を、昨年から5月に移動しました。選手の負荷を考えてのことでしょうが、それでも選手にとってはまだまだ負担が大きいようです。トップ選手のオリンピックへの参加不参加表明が、今後しばらく続きます。