男子ゴルフ界の大きな動きプレミアゴルフリーグ(Premier Golf League)の詳細が次第に明らかになってきました。
2022年開始を予定している新リーグは、48名のトッププロによって構成され、4名が1つのチームとなって戦う。大会は予選カットなしで、72ホールではなく54ホールで勝敗を決める。賞金総額は1000万ドル(約11億円)と高額で、年間18試合おこなわれる。開催地は、アメリカが10ヶ所、アジアが3、ヨーロッパが3、オーストラリアが1、中東が1となる。
そのほか、シーズンは1月から8月までとなり、各試合は、4大メジャー大会の日程とは重複しない。最初の2日間はショットガンスタートとする(18ホールのすべてから選手が同時にスタートする)。サッカーリーグのような移籍、昇格、降格あり。
出資者について、世界各国のファンド、放送局、有名ゴルフ選手など、さまざまな個人、法人が出資者として名を連ねており、その中にはサウジアラビア系のファンドも含まれる。米PGAツアーとの関係については、競合ではなく、共存共栄をはかっていきたい。
まだ、不明な点としては、開催コースはどこになるか? プレミア・ゴルフ・リーグでの成績は世界ランキングの算出対象となるのか? 男女平等の観点から将来は女子リーグも加えられるのか? などなど
ゴルフの試合は長すぎる、生中継をテレビ観戦していると退屈になる。という現在抱えている問題は大会を3日間(54ホール)にすること、スタートをショットガンスタイルにすることで大幅に解決することができます。また、48名という限られたトップ選手による戦いなので、プレーする選手はすべて馴染みの選手となり、知っている選手がプレーするので安心してテレビ中継を観ることになります。
現在のPGAツアーの大会のほとんどは、オープン形式なので出場資格を持つ選手はだれでもプレーでき、無名に近い選手が優勝することが少なからずあります。しかし、そのような大会では、タイガー・ウッズ、ローリー・マキロイといった選手が最後まで活躍し、優勝する試合に比べて、視聴率が大幅に下がります。誰が最後に活躍するかで、大きく視聴率が変動するようでは、スポンサーが集まりにくくなり、スポンサー料を高く設定することができません。これでは、興行としてはなかなか定着、発展しにくくなります。
アジア、アフリカ、南アメリカなどの新興国の中には、世界のトップ選手がプレーする姿を生でみることができない国が、たくさんあります。日本でもようやく昨年より米PGA男子ツアーの大会が開催され大盛況となりました。多くのギャラリーが会場に詰めかけ、高いテレビ視聴率を記録しました。プレミアゴルフリーグの大会を新興国やアラブの国で開催すれば、興行的な成功は間違いありません。
今後のゴルフの発展、成長を長い目でみれば、プレミアゴルフリーグの提案は正しい方向と思われますが、問題はその構想に賛同し移籍してくれるトッププレーヤーがどれだけ集まるのかということです。