プレミアゴルフリーグ(Premier Golf League)創設の動きに、ローリー・マキロイがトッププロとして公式に反対を表明したのち、さまざまな動きが出ています。
現在は大実業家となっているグレッグ・ノーマン(65歳)は、マキロイの意見について落胆の言葉を発しています。マキロイが先週の記者会見で、「自分は、この件に関して歴史の正しい側にいたい。90年代にグレッグ・ノーマンがおこなった動きの中でアーノルド・パーマーがそうしたように。」と語っていました。
この言葉の背景ですが、グレッグ・ノーマンは、1994年に「ワールド・ゴルフ・ツアー」という今回のプレミアゴルフリーグに似た、米PGAとは独立したツアーを立ち上げようとしました。テレビ局の合意をとりつけ、選手たちの支持も得ていましたが、当時ゴルフ界の重鎮であったアーノルド・パーマーの反対発言で、新ツアーを実現させることができませんでした。
グレッグ・ノーマンは、当時を振り返って、あの時アーノルド・パーマーの陰には米PGAツアーがあったといいます。その理由として、パーマーのマネジメント会社はIMGといい、その会社は、当時米PGAツアーの中のいくつかの大会を所有し、運営していました。米PGAとしては、ライバルとなるようなツアーが生まれれば、自分たちにとって不利益になるため、IMGに働きかけ、IMGの意を汲んだパーマーが反対を表明したのだと。
さらにノーマンは、今回のマキロイの発言も、周囲に言わされているだけなのではないかと言っています。彼が新ツアーを提唱した1994年当時、マキロイはまだ5歳の幼い少年です。その彼が反対表明の中で、「ノーマンの動きに反対したパーマーが、正しい歴史の道を歩んだ」と述べていることから、誰かに入れ知恵されている、あるいは誰かの思いを代弁していると。そうなのかもしれません。
プレミアゴルフリーグの出資金に、サウジアラビアのオイルマネーが多く含まれていることもはっきりしてきました。世界的に超低金利で投資対象が見当たらない中、ゴルフというスポーツが巨額なオイルマネーの投資対象となったとみるべきかもしれません。しかし、サウジアラビアという国は、ジャーナリストの殺害に皇太子が関与するなど、民主主義の世界とは相いれない国柄ゆえ、西側諸国にとってはイメージがよくありません。
今後、プレミアゴルフリーグ側を大きくサポートするような動きがない限り、その将来は明るいものではありません。