先週の米PGAツアー「アーノルドパーマー招待」は、イギリス人ティレル・ハットン(Tyrrel Hatton)が優勝しましたが、大変厳しいコースセッティングと寒さと強風で、選手のスコアはさんざんたるものでした。優勝したハットン選手は、予選2ラウンドこそ7アンダーでしたが、決勝ラウンドは、73と74の計3オーバーです。
二位に入ったオーストラリア人マーク・リーシマン(Marc Leishman)選手の土日のスコアは、72と73。3位の韓国人Sungjae Im選手は、74と73です。3人とも予選ラウンドの貯金があったからなんとか上位の位置を保てたということでしょうか。ちなみに予選通過し、最終的に最下位で終了したロブ・オッペンハイム(Rob Oppenheim)選手の4日間のスコアは、69,78,83,83、トータル25オーバーという大炎上です。
大会を47位タイで終えた世界ランキング3位のブルックスケプカ(Brooks Koepka)選手も、3日目に81を叩き、公式戦での自己ワーストラウンド記録をつくり、56位タイだった松山英樹選手も3日めに80を叩いています。今までトッププレーヤーが何人も80台のスコアを出す大会というのを聞いたことがありません。また、3日めにアンダーパーで回った選手はたったひとりだけです。やはり自然条件(気温、強風)とアンマッチなコース設定に無理があったようです。
データ的に見ても、すべての選手の4日間のパーオン率は、50.5%。半分しかのっていません。グリーンがとても固く、ラフが深かったためです。次に、こんなデータが集計されているかと驚くのですが、すべての選手が4日間ラフからピンを狙って打ったショットは、ピンまでの距離が平均54フィート4インチだというものです。ラフの厳しさがわかります。これでは、パーを拾うのがやっとで、なかなかスコアを伸ばすことはできません。
一部の選手の心に、間違いなくトラウマを生んだこの「アーノルドパーマー招待」が、来年どんなコース設定で選手を迎えるのか、とても楽しみになります。