4月29日のブログで、米PGAツアーは6月8日より再開する今季の試合に、ウィルス検査キットを100万セット手当してのぞむとお伝えしました。
これに対して、56歳のスコットランド人、コリンモンゴメリー(Colin Montgomerie)選手がメディアに意見を述べています。モンゴメリー選手は、米PGAツアーでこそ優勝がないものの、欧州ツアーで通算31勝をあげ、1993年から99年まで7年連続で欧州ツアー賞金王に輝き、2010年にはライダーカップのキャプテンをつとめ勝利に導いています。
彼いわく、米PGAツアーは、ツアー再開のために100万個の検査キットを手当てしたという報道がされている。しかし、現在世界中で、コロナウィルス感染リスクを恐怖に感じながらも、果敢に戦っている医療従事者が大勢いる。この検査キットはその最前線にこそ投入されるべきではないか。
また、ゴルフだけが他のスポーツに先行するというものどうだろうか。無観客で試合をおこなうとしても、会場には、選手、キャディー、大会関係者、メディア、ボランティアーを含め約600人のひとが集まることになる。ゴルフ場は屋外で広い敷地の中で開催されるとは言え、感染のリスクがない、まったく安全というわけではない。
また、再開される米ツアーは事実上、アメリカ国外の選手を締め出した形でおこなわれることになるという点である。アメリカに拠点を構え、アメリカに住んでいる海外選手は問題ないが、海外から米PGAツアーでプレーするためにやってくる選手にとっては、現在アメリカ政府が海外からの渡航者の入国を一切禁止しているため、入国することができない。
ここからはあくまでわたしの推測ですが、モンゴメリー選手としては、自分がかつて主戦場とした欧州ツアーは現在再開のめどがまったくたっていない中、資金力にものをいわせて米PGAツアーだけが先行することへのわだかまりが少しあるのかもしれません。
しかし、いつまでもすべてのスポーツを中止しているだけでは、ものごとは何も前に進みません。誰かが、リスクをとりながらも先頭に立って切り開いていかなくては。何もしないで、じっとしているよりも、行動をおこしてみて、問題があれば走りながら修正していく。今、あらゆる分野で求められているのはその姿勢なのではないでしょうか?