全英女子オープンに暗雲?

アメリカ男子ツアーより約1か月遅れて、女子ツアーも再開されることがきまったこと、昨年の大会で渋野日向子選手が優勝した「全英女子オープン」も予定通り、8月20日より開催されることは、5月2日のブログでお伝えしました。

この発表は米LPGAサイドから先週あったのですが、今週になって米LPGAとR&Aは、6月15日までに「全英女子オープン」を予定どおりスコットランドのロイヤルトゥルーン(Royal Troon)でおこなうかどうか正式に決定するという発表をおこないました。なので、現段階では開催は決定事項ではないということになります。

その理由のひとつは、7月16日から開催を予定していた男子の「全英オープン」が、コロナウィルスのパンデミックが進行していくなかで、大会を中止にすることで受け取れる災害保険金の支払い条件―中止決定の時期―のために、延期ではなく中止を早々に決定してしまっていること。男子は中止で、女子は開催となるとバランス的にどうなの?という問題があります。

もうひとつの理由は、大きな大会が立て続けに催され、日程が過密となってしまうことです。欧州LPGAツアーでは、8月6-9日にメジャー大会「エビアン選手権(The Evian Championship)」がフランスで予定され、その翌週8月13-16日には、スコットランドで一番権威があるとされるナショナルオープン「スコットランド女子オープン(Ladies Scottish Open)」が開催され、その翌週に同じスコットランドで今回の「全英女子オープン」となります。

もちろん、無観客試合でおこなわれ、選手・キャディーをはじめ大会関係者は、事前にウィルス検査をおこない、陰性であることを確認したのちに大会に参加することになり、ソーシャルディスタンスを保ったプレーの進行となります。

スコットランドでは、コロナウィルスの感染拡大後初めて、大会が2週連続で開かれるわけで、大会を運営しながら関係者の健康と安全をどう確保するのか手探りの状態となります。また、大きな大会なので、通常の大会よりも数段にスタッフは増やす必要がありますが、それ以外にウィルス検査に携わる医療関係者や、万が一陽性となった選手、キャディーをどう隔離するのかその医療従事者の手当などの必要も生じてきます。

米LPGA関係者が、R&Aとの調整が十分ではない段階で、「全英女子オープン」の開催を発表してしまったようで、どうも暗雲が立ち込めてきました。