ヴィジェイ シン(Vijay Shigh)というフィジーの選手をご記憶と思いますが、30歳代後半よりめざましい活躍をした選手です。2000年にマスターズ優勝、1998年と2004年に全米プロ選手権2度の制覇(トータルメジャー3勝)を含め、米PGAツアーで34勝をあげています。そして、タイガーウッズの独壇場であった時代にあって、1999年8月から2010年10月の間、世界ランキング1位の座を彼より奪った唯一の選手です。
彼はすでに「ゴルフ殿堂」入りも果たし、57歳の今は米シニアツアーでプレーしています。その彼が突然SNS上で激しく非難されることになりました。ことの発端は、彼が米PGAツアーの下部ツアーであるコーンフェリー(Korn Ferry)の大会にエントリーしたことです。
コロナウィルスの影響でコーンフェリーの大会も中断したままですが、米PGAがツアーを再開するのと同じタイミングで開催される「コーンフェリーチャレンジ(Korn Ferry Challenge at TPC Sawgrass)」で再開することが決まっています。
永久シード権をもつシン選手ですが、米PGAツアーの再開初戦「チャールズシュワブチャレンジ」は、収入の手段が閉ざされていた米PGAツアーの現役プレーヤー優先のエントリー資格となったため出場がかなわず、シニアツアーのほうも再開は7月末となっているため、実践感覚を求めて「コーンフェリーチャレンジ」にエントリーしたものと思われます。
彼のエントリーを知ったブラディ シュネル(Brady Schnell)という選手がSNS上でシン選手のことを「もし賞金を受け取るつもりなら、本当にくずだ。」と激しく罵りました。彼は、
今年の1月から3月までのコーンフェリーツアーで6試合出場して、5試合で予選落ちをしています。3月から試合がなくなって、生活が本当に苦しい状況なのでしょう。そんな中、いままでの獲得賞金の総額が100憶円以上という超大物選手が、自分と同じ大会にエントリーしてくることに、生活をおびやかされる恐怖と強い憤りを感じました。
この件がメディアでも大きく取り上げられて、ヴィジェイ シン選手は今後どうするつもりなのでしょうか? 棄権するのか、あるいはそのまま知らぬ顔で出場するのか? もし、出場するのであれば、大会前に「賞金は受け取らない。生活のため本当に必要としているほかの選手に回してほしい。」とはっきり表明しておくのが、得策のような気がします。
どんな選手だったかな という向きは以下の動画で思い出してください。