「全米オープン」は言うまでもなく、メジャー大会のひとつで、毎年6月に開催され、最終日が「父の日」と決まっているので、優勝の瞬間は、選手が父と抱き合う姿が、よくテレビに映し出されます。
しかし、ことしは新型コロナウィルスの影響で、6月18-21日の当初の予定が、9月17-20日に延期されて開催されます。舞台は、ニューヨーク州の「ウィングドフットGC(Winged Foot GC)」です。
「全米オープン」は、オープンというくらいですから、「マスターズ」のように招待されなければプレーすることができない大会とは異なり、また「全米プロ選手権」のようにプロでなければ参加することができない試合でもなく、ハンディキャップが1.4以下の人であればだれでも参加することができるオープンな大会です。
その出場者を決めるため、大会前に日本を含めて世界各地で地区予選が開催されます。アメリカでは、一次予選が108会場で18ホールストロークプレーによっておこなわれ、500名に絞られます。二次予選は、12会場36ホール戦でおこなわれ、上位者が「全米オープン」への切符をつかみます。
毎年約9000名の選手が参加するなかで、予選を勝ち抜いて本選に進み、「全米オープン」のタイトルを手にした選手は、現在のような予選形式になってからは過去に2名だけいます。予選を勝ち上がって本選に進み、そして優勝する。まさにオープンのだいご味です。
しかし、残念なことに今年はコロナウィルスの感染拡大のため、地区予選が開催できないと主催者であるUSGA(全米ゴルフ協会)より18日(月)発表がありました。併せて、現在50名の選手が参加資格を満たしていますが、その人数では少なすぎるので、追加の参加資格について数週間のうちに発表するとしています。
現在アメリカ以外の国にいる選手に対してどのような配慮がなされるのか、関心が集まるところです。いまのルールでは、アメリカに入国して2週間自主隔離(self-isolating)後に試合に出て、大会が終わって日本に帰ってきてから、また2週間の自主隔離となります。これでは、トッププロとしては体調の維持管理はまったく不可能な状況です。この点は国レベルの話なので、USGAの力の及ぶところではないとは思うのですが。
各国で国内プロスポーツは徐々に再開してきています。今後は世界中から選手が集まる国際大会を、ゴルフに限らずどう安全に開催していくのか。国際間の合意・ルール作りが欠かせない気がします。
本日の一押し動画は以下のものです。アフターコロナ時代のフラッグの扱いです。
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