アメリカ国土安全保障省(US Department of Homeland Security)は、「プロスポーツ選手には、現在アメリカ入国に際して課している規則を適用しない」との声明を、5月22日発表し、即日発効としました。そのプロスポーツの中に、うれしいことにPGA、LPGAが入っており、他にMLB(野球)、NBA(バスケットボール男女)、NHL(ホッケー)、ATP(テニス男女)が含まれています。また、選手本人だけではなく、スタッフ・家族も適用除外の対象となります。

その理由として国土安全保障省は「プロスポーツ大会は、今もっとも必要とされる経済的恩恵があると同時に、開催地のプライドと国家的な結束に大きな役割を果たす。現在のような環境下では、スポーツがどうしても必要である。今が経済を再開するときであり、プロスポーツ選手に活動を再開してもらうときである。」とコメント。

主要なプロスポーツ界をリードするアメリカの迅速な判断です。アメリカのプロスポーツ市場はとても大きく、その関係者の数は相当な数となり、その人たちがいままで途絶えていた収入を得ることができるようになります。われわれファンとしても、外出を自粛し、他人との接触をさける状況が続けば、みんなストレスがたまります。そのストレスの発散にはプロスポーツの観戦はたいへん効果的です。

今後アメリカ国外の選手は、アメリカ入国後に自主隔離なしで、米PGAツアー競技に参加することができるようになります。そして、今後アメリカで開催される3つのメジャー大会、「全米プロ選手権(8/6スタート)」、「全米オープン(9/17スタート)」、「マスターズ(11/12スタート)」には、世界中のトッププレーヤーが制限されることなく出場することが可能となりました。

このことは、選手にとって好ましいだけではなく、大会側も大会の権威を保つことができます。中止にせず、苦労して延期して開催した大会が、後世「2020年の大会は、参加できる選手がアメリカに限られていたから、優勝の価値もほかの大会とは数段に劣ってしまう。」などと言われなくてすみます。

アメリカという国のリジリアンス(回復力)、ポジティブネス(積極性)には本当に敬意を表したいと思います。