5月10日のブログで、ヴィジェイ シン(Vijay Shign)選手がSNS上で非難されていることを紹介しました。
シン選手は、かつて世界ランキング1位の座につき、メジャー大会3勝を含め米PGAで通算34勝を達成した偉大な選手です。その彼が、米PGAツアーの下部ツアーの再開初戦となる試合にエントリーしたことを知ったひとりの選手が、シンのことをかなりひどい言葉で罵りました。
彼の発言は大きな反響をよび、フィル ミケルソン選手のように永久シード権を獲得しているのだからまったく問題ないとシン選手を擁護する人たちと、功なり名を遂げた選手としてはあまりにも大人げないし、若手選手の活躍の場を奪うものだと賛否両論が繰りひろげられていました。
先週末、米PGAはメディアの問い合わせに対し、ヴィジェイ シン選手は6月11日より下部ツアーの再開初戦として開催される「コーンフェリーチャレンジ(Korn Ferry Challenge at TPC Sawgrass)」には出場しないと回答しました。
ヴィジェイシン選手本人は、何もコメントを発表していませんので、彼がどう考えて出場を辞退したのかわかりません。彼としては自分が主戦場としている米シニアーツアーも、長い間コロナウィルスの影響で中断したままなので、試合勘を取り戻したい、実戦のなかで腕を磨きたいという思いでエントリーしたのでしょう。しかしそのことが、米PGAツアーに上がっていってもっと収入を得たい、自分の名前をみんなに知ってもらいたいと、命がけで頑張っている選手の活躍の場と収入を奪うことになるというところまでは、考えが及ばなかったのでしょう。出場辞退は賢明な選択です。