ライダー カップ

今年は、2年に1度欧州の男子プロとアメリカ国籍の男子プロがチーム戦で戦う「ライダーカップ(Ryder Cup)」が開催される年で、9月25日から3日間、ウィスコンシン州にある「ウィストリング ストレイト(Whistling Straits)」で予定されています。

コロナウィルスの影響で、すべての試合が延期・中止となるなか、比較的早い段階から、出場が予定される選手たちからは、延期してほしいという声が多く出ていました。最近は、アメリカチームのスティーブストリッカー(Steve Stricker)監督からも、開催について否定的なコメントが発せられています。

今月中に予定通り開催されるのかどうか正式に発表されます。

通常のトーナメントは、ストロークプレーでおこなわれるため、基本的には他の選手のプレーは関係なく、バーディーを取って自分がスコア伸ばしていけばいいのですが、ライダーカップは違います。マッチプレーでおこなわれるため、ホールごとに勝敗が決し、その結果で試合の勝ち負けがきまります。相手選手とのかけひきだけではなく、ショットを打つときやパットを決める瞬間に、自分を熱烈に応援してくれる観客の声、あるいは相手チームを応援する観客の罵声によって、信じられないようなすばらしいプレーが生まれたり、反対にプレッシャーによってみじめなプレーに終わることもあります。

9月25日からのライダーカップは無観客でおこなわれる予定のため、まったく周囲の声援がありません。勝つためにみずからを奮い立たせることができるのは、自分自身とチームメートだけとなります。そのため、ローリー マキロイは「ファンのいないライダーカップはライダーカップではない。」とまで言い切っています。

また、いろいろな問題点もあります。もし仮に来年に延期した場合でも、「プレジデントカップ(ユーロ国を除く国際チームとアメリカとの対抗戦)」とのかねあいをどうするのかという問題と、来年は東京オリンピックも開催され、スケジュール調整がさらに難しくなります。

また、現在世界ランキングが停止しているため、基本的に世界ランキングをもとに作成されるライダーカップポイントランキングも停止したままでです。現時点で誰がライダーカップに出場する資格をもっているのだ、という問題があります。

さらに、ライダーカップの直前の週(9月17日から)には、6月から延期され、この週に持ってこられたメジャー大会「全米オープン」が開催されます。今年の大会が42回目となり、長い歴史をもつ「ライダーカップ」のメンバーになることは、欧州の選手とアメリカの選手にとっては非常に名誉なこととされますが、全米オープンの直後の週に開催されることになると、どちらもとても大事と考える選手にとっては、非常に大きくな負担となります。

そこでどうすればいいか、ここからはわたしの大胆予測です。今年のライダーカップは来年(2021年)に延期、来年開催予定のプレジデントカップはその翌年(2022年)に延期、その次の年(2023年)にライダーカップを開催する。これが一番いい解決策ではないでしょうか。