世界ランキング14位のイギリス人ジャスティン ローズ(Justin Rose)選手は、今週米PGAツアーが再開して、その緒戦となる「チャールズ シュワブ チャレンジ」で、久々に競技生活に戻ります。
しかし、ヨーロッパの女子ツアーは、コロナウィルスの影響で、8月6-9日の日程で開催される「エビアン選手権(the Evian Championship)」まで試合が予定されていません。しかも、この大会はメジャー大会なので、欧州ツアーの資格をもつ選手がすべて出場できるわけではありません。
欧州女子ツアーの窮状を見かねたジャスティン ローズ選手は、奥さんのケートさんとともに、私費35,000ポンド(約483万円)を出し、「ローズ レディース シリーズ」という名前で、6月18日から7週間連続で試合を開催することを発表しています。
大会は観客を入れずにおこなわれ、スカイスポーツがテレビ中継を予定しています。開催される6つのコースは、すべて無償で大会のために使用されることに応じ、その中には、今年「全英(男子)オープン」が予定されていましたが、コロナウィルスのために開催中止となった「ロイヤル セント ジョージ(Royal St. George’s)」も含まれています。
ローズ選手は、「賞金はわずかなものであるが、大会に参加して試合感覚をみがき、きたるべき時期に備えてほしい」と述べていますが、この発表の背景には、奥さんであるケートさんの思いが強く働いたようです。かつて、体操選手として欧州チャンピオンになったことがある彼女は、元アスリートとして、現役アスリートが今置かれている状況にこころを痛めていました。
キリスト教の世界には、寄付することによって困っている人を助ける。寄付することできる自分の境遇を神に感謝するという精神があるといいます。まさにその精神でしょうか。