ライダーカップ(Ryder Cup)は、今秋9月25日から3日間、アメリカ ウィスコンシン州ウィストリング ストレイト(Whistling Straits)ゴルフ場で開催される予定となっています。
しかし、数多くの選手の中から、またアメリカチームの監督(キャプテン)をつとめるスティーブ ストリッカー(Steve Stricker)からも、無観客でおこなわれる国対抗戦については、盛り上がりに欠けるので延期を求める意見が出ていました。
しかし、現地時間の6月10日、大会を主催するPGA of Americaから、「ライダーカップでの監督(キャプテン)推薦枠を現在の4名から6名に変更する」と発表がありました。不満を訴える選手の声は届くことなく、予定通り開催されることが決定です。
今までは12名の参加選手うち、8名がポイントランキングより自動で選出され、残る4名については、ランキングにあらわれないごく直近の成績がすばらしい選手や、チーム編成上どうしても必要な選手などが監督推薦で選ばれていましたが、今回に限って6名が監督推薦で出場することになりました。コロナの影響で試合が約3か月も開催されず、その間の各選手の取り組み具合、調子などがまったく読めず、ランキングには頼れないということが理由です。
ライダーカップでは、開催地側がある程度、自分たちに有利にものごとを決めたり、設定することが認められています。たとえば、自分のチームの飛距離が相手チームの飛距離を上回る場合、フェアウェーを広くして、ラフを短めに刈り込む。また、平均飛距離から逆算して、1打めが落ちるあたりにバンカーがくるようにティーの位置を設定するなど、、、
アメリカチームは、ライダーカップの通算成績では、26勝14敗2分けと大きく勝ち越していますが、直近の10試合だけでみると3勝7敗と負け越しています。今回は自国開催でもあり、どうしても負けられないという気持ちが強いはずです。
かなりうがった見方をすると、今週米PGAツアーの再開でほとんどのアメリカ人選手はプレーを開始し、9月までに実践感覚を取り戻し、調子を上げていくことができますが、欧州ツアーの再開は7月22日と約40日遅れです。欧州の選手にとってライダーカップまでまで約2か月しかありません。アメリカチームとしては、欧州選手の本調子が出る前に戦って、ライダーカップで勝利しようという考えです。
うがちすぎかもしれませんが、もし秋にアメリカチームが勝利したら、延期ではなくライダーカップ開催にこだわったアメリカチームの作戦勝ちということになります。
前回の大会のハイライト動画、興味のあるかたはご覧ください。