メモリアルトーナメント 速報

先週のトーナメント「ワークデイチャリティーオープン」が、今週の大会「メモリアルトーナメント」の会場ミュアフィールドビリッジ(Muirfield Village GC)を急きょ間借りしたため、2週続けて同じコースで大会がおこなわれるという異例のかたちになりましたが、「メモリアルトーナメント」の予選ラウンド2日間が終了しました。

グリーンを固くしてボールが止まりにくく、ラフは先週からカットせずにさらに深く、ティーグランドの位置をかえて各ホールの長さを大幅に変更するなどコース設定を大きくかえたため、先週の大会に出場していた選手はおおいに手こずりました。

先週優勝したコリンモリカワは、初日4オーバーの出だしとなりました。しかし2日めは2アンダーでまわり、47位タイで予選通過です。

先週プレーオフでモリカワに敗れたジャスティントマスも、同様に初日は2オーバーを叩きましたが、2日めは5アンダーとして16位タイの位置に戻しています。

久々にツアーに戻ってきたタイガーウッズは、トータル3オーバーの成績でカットラインぎりぎりの予選通過です。首位とは12打差あけられたため、今週の優勝そして米ツアー勝利数単独1位(83勝)は期待できそうにありません。

松山は、75、79と大叩きして予選落ちです。

2018年のこの大会で優勝しているブライソンディシャンブーは予選落ちしましたが、その原因は16番のパー5のプレーにありました。2オンが狙えるこのコースで、彼の打ったティーショットは大きく左に曲がり、コースに沿って流れる川に入って1ペナ。林の中からウッドで果敢にグリーンを狙った(第3打)ボールは、グリーンの右に大きくはずれOB。その次のショット(第5打)も刻まないで同様にグリーンを狙いOB。その次のショット(第7打)も狙って打ってOBにはなりませんでしたが、グリーンまで50ヤードの距離。そこからグリーンにのせて(第8打)、2パットでホールアウト。なんと10打叩いてしまいました。

まるでアマチュアのような攻め方で、予選通過を逃してしまいましたが、ディシャンブーは常識にとらわれない、彼独自のゴルフ理論でプレーしているので、われわれには到底理解できない攻め方だったのかもしれません。

しかし、この16番ホールのディシャンブーのプレーの中で、おもしろいと感じたことが1点あります。5打目として打ったボールに近づいてみると、コースとコース外の境界となるフェンスの真下に止まっていたため、ディシャンブーはルールオフィシャルを呼びました。かけつけたルールオフィシャルと話をしましたが、彼の説明に納得できないディシャンブーは、別のルールオフィシャルをよこしてほしい、彼の見解が聞きたいと依頼しました。このような要求ができるのですね。次に現場に到着したルールオフィシャルと話をしたディシャンブーは、「白杭がないエリアなので、フェンスの柱のゴルフ場側を向いている面が基準となる。2本の柱のその面を結んだ線からボールは外に出ているため、OBである。」という彼の主張を受け入れて、プレーを続行しました。

2日間を終えて首位タイに立ったのは、トニーフィーナウ(Tony Finau)という30歳の選手です。長身で、いずれ大ブレークするといわれ続けていますが、まだ米ツアー1勝のみです。彼は2018年にマスターズ大会前の「パー3コンテスト」で見事ホールインワンをしたのですが、うれしさのあまりコースを駆け回るうちに左足を脱臼してしまいました。大事には至らず、マスターズの試合にも出場しましたが、あまりにも痛々しいシーンは多くの人の記憶に残っています。