ことし2月までは世界ランキング1位の座を占めていましたが、現在6位まで落ちてしまったブルックスケプカ(Brooks Koepka)の調子が最近あまりよくありません。今週の「メモリアルトーナメント」にも出場していますが、3日目を終わって56位タイの成績です。3日目終了時のインタビューで話しているように、昨年後半に手術した膝の回復がおもわしくないことが理由です。
ケプカは2017年の「全米オープン」を優勝し、2018年には「全米オープン」を連覇し、「全米プロ選手権」にも優勝し、昨年は「全米プロ選手権」を連覇するなど、あれよあれよという間にメジャータイトルを4つも手にして、世界ランキング1位に上り詰めましたが、当時の彼の強さを現在の彼に見出すことができません。
ジョーダンスピース(Jordan Spieth)もそうです。高校生時代より頭角を表して米PGAの試合に出場しはじめ、2013年には19歳でツアー1勝を挙げました。2015年にツアー2勝目を飾ったのち、その年の「マスターズ」と「全米オープン」のタイトル2つを立て続けに奪取しました。翌年は「マスターズ」で惜しくも2位にとどまり連覇はできませんでしたが、翌2017年には「全英オープン」を制し、24歳までにメジャー3勝したのはジャックニクラウス以来2人目の快挙と騒がれました。その後どんな活躍をするのか本当に楽しみな選手でしたが、2017年の「全英オープン」以来3年間いまだに勝利がありません。世界ランキングも現在61位まで落ちてしまいました。
今後、ケプカとスピースが盛り返してきて、またメジャー大会を制してくれることを期待します。しかし、メジャー大会を優勝するには、選手の才能と努力だけでなく、運とその時選手が持っている「勢い」というものが必要で、メジャーを立て続けに優勝できるということは、その時の選手の「勢い」がとても強いのではないかと思います。しかし、その「勢い」が去ってしまったあとで、その「勢い」があったときのプレーを無理に再現しようとして、徐々に歯車が狂っていくようです。
メジャーを連覇する「勢い」とはちょっと異なりますが、この「メモリアルトーナメント」の最終日を4位でスタートするダニーウィレット(Danny Willett)のプレーに注目です。(首位とは6打差あり少々きついですが、、、)彼は2016年の「マスターズ」を優勝しましたが、その直後から極度の不振に陥り、世界ランキングを9位から462位まで落としてしまいました。しかし、一昨年と昨年欧州ツアーで1勝ずつあげ、徐々に調子を取り戻してきて、先週の米ツアー「ロケットモーゲジクラシック」では4位タイに入ってきました。あすのプレーに期待しましょう。