厳しい天候のなかでおこなわれた「全英女子オープン」4日間の戦いが終わりました。栄冠を手にしたのはソフィア ポポフという27歳のドイツ人の選手です。ドイツ人女性によるメジャー大会制覇は初めてとなります。
彼女は大会前の世界ランキングは304位で、世界ランキング300位外の選手によるメジャー大会制覇は、いままでに2003年に男子の「全英オープン」でベン カーティスが優勝したのみで、男女を通じて史上2人めとなる非常にレアなケースとなり、大会前の優勝予想者泣かせの大会となりました。
彼女は、アメリカの下部ツアーでプレーしていた選手で、ツアー優勝の経験がありません。プロとしての初優勝がメジャー大会になるという、宝くじ的確率の幸運をつかんだことになります。母国ドイツに戻れば、日本で昨年起こった「渋野フィーバー」のような大歓迎と熱狂が間違いなく彼女を待っているはずです。
彼女は、コロナ後アメリカで米LPGAツアーが再開したその初戦では、キャディーとして知り合いの選手のバッグを担ぎました。第2戦目となる「マラソンクラシック」で選手として出場し、トップ10に入ったことによって「全英女子オープン」への切符を手にすることができました。「マラソンクラシック」に出場できたのも、再開後2戦めとなる大会なので、シード権をもつ多くの国際選手が、コロナ感染防止対策が十分とられているのか心配で出場を見合わせたため、下部ツアーでプレーする彼女に出場機会が転がり込んできました。
とはいうものの、先週はアメリカの下部ツアーの大会に出場して2位に入り、いい調子と勢い(モーメンタム)をもってこの大会にやってきたのも事実です。また、キャディーはジュニア時代にドイツのナショナルチームで一緒に練習をしたボーイフレンドが務めたことも勝因かもしれません。コロナ禍の中、普通ではなかなか手にすることができなかったチャンスを、悪天候に耐えて優勝につなげたソフィアポポフはすばらしい選手です。
彼女の優勝の瞬間と優勝インタビューです。
このブログで紹介した、自分でカートを引いて戦ったリムゼーウィーバーは19位タイ、数年前試合中に毒ぐもにさされながらも試合を続けたダニホルムクビストは、29位タイで試合を終えました。
日本人選手として最高位(6位)でホールアウトしたのは、上田桃子でした。10回目の挑戦で、自己ベストを更新した彼女のインタビュー記事が、ゴルフダイジェスト電子版に掲載されていますので、ご一読を。
https://news.golfdigest.co.jp/news/lpga/article/126767/1/?car=top_nw_t02