ドラマチックなパット 2つ

米PGAプレーオフ第2戦「BMW選手権」は本当にすばらしい試合でした。クライマックスは、なんといっても最終日最終ホールとプレーオフ1ホールめのパット。この2つのパットがこの大会をいつまでもファンの記憶に残るであろう大会としました。

ダスティン ジョンソンは、最終18ホールで大きく曲がる43フィート(13メートル)のパットを決めバーディーとして、すでにホールアウトしているジョン ラウムに追いつきました。感情をほとんど外にあらわさないジョンソンは、静かにそして自信に満ちて片手を大きくあげました。

ジョン ラウムとダスティン ジョンソンの2人によるプレーオフ1ホール目。こんどはジョンラウムが66フィート(20メートル)の大きくスライスするバーディーパットを決め、ダスティン ジョンソンとの勝負に決着をつけました。

ふつうであれば、世界ランキング1位で、土壇場で追いついて勢いのあるジョンソンに対して、追いつかれて守りの姿勢になりそうになるジョンラウムですが、プレーオフ1ホール目で非常に長いパットを見事に入れてみせました。

パットを決めたあと何度もガッツポーズをして、喜び・達成感を体じゅうで表現するジョンラウム。18番でのダスティンジョンソンの姿とは対照的でした。

さて、来週はいよいよシリーズ最終戦「ツアー選手権」となります。いままでの大会で使用されていたポイントが、別のかたちで適用され、この大会の優勝者が大会の優勝賞金と同時にプレーオフシリーズ最優秀者賞金としてトータル1500万ドル(ざっくり15億円)を手にすることになります。

別のかたちというのは、各選手は大会初日のスタート時にストローク数のマイナスハンディを与えられます。ポイント獲得数1位でこの大会に出場するダスティン ジョンソンは、10アンダーからスタートします。2位のジョン ラウムは8アンダーから。

3位のジャスティン トマスは7アンダーから

4位のウェブ シンプソンは6アンダーから

5位のコリン モリカワは5アンダーから

6位~10位までの選手は4アンダーから (この中に松山英樹がいます)

11位から15位までは3アンダーから

16位~20位まで2アンダーから

21位~25位まで1アンダーから

26位~30位までイーブンパーから

この大会に進出した30名のすべての選手に優勝のチャンスはもちろんありますが、26位~30位までの選手にとっては、始まる前からダスティンジョンソンが10打リードしており、ジョンラウムが8打、ジャスティントマスが7打、ウェブシンプソンが6打リードしている状況では、上位に食い込むことは至難のわざです。ましてや優勝となるとその確率は限りなくゼロに近いと言わざるを得ません。おそらくコースセッティングのほうも、シーズン最終戦にふさわしい厳しいものとなることが予想されます。そうするとますますビッグスコアを期待できません。

上位選手の中でウェブシンプソンだけが唯一、先週の試合「BMW選手権」を休養に充て、この「ツアー選手権」に戻ってきます。この休養が吉とでるか凶とでるか、結果に注目しておきましょう。

また、今年ルーキーながらメジャータイトル「全米プロ選手権」をとり、首位と5打離されてスタートするコリンモリカワは、当ブログイチ押しの選手となります。開催が待ち遠しくてなりません。