USGA(全米ゴルフ協会)は、ノースキャロライナ州にあるパインハーストゴルフクラブとの結びつきを深め、USGAの運営機能の一部を今後ここに移すと発表しました。約25億円をかけて施設をつくり、現在ニュージャージー州にある拠点の職員の16%にあたる50名を、今後この地に移動させ機能を分担する計画です。
また、USGAが主催する「全米オープン」が、今まで以上にこのコースで開催されることも発表しています。この地で「全米オープン」が開催されたのは、直近で1999年、2005年、2014年ですが、今後より頻繁におこなわれることになり、2024、‘29、’35、‘41、’47に開催することが決定しています。
理由は、選手もファンもなじみのコースで全米オープンが開催されることを望んでいるという調査結果にもとづくものです。まったく今までラウンドしたことがないコースで、メジャー大会を開催すれば、選手は慣れていないため戸惑うでしょうし、観客も知らないコースでは、見ていてゲームの展開が予想しづらくなります。しかし、開催されるコースが限定されると、コースをよく知ることができ、「次はパー5だ。イーグル、バーディーが出て試合の流れがかわるかもしれない。」「このホールでは、いままで多くの選手が、あのバンカーに入れてスコアを落としている」など、観戦の仕方もより深くなりそうです。
また、「全英オープン」は開催されるコースが毎年異なりますが、定期的に(約5年に1度)セントアンドリュースに戻って開催され、セントアンドリュースコースは、数ある有名なコースの中でも中心的な存在となっています。パインハースト(No.2コース)もそのような存在になることを目指しています。
USGAは上述したように「全米オープン」を2047年にパインハーストで開催することをすでに決定しています。今からはるか27年後のことです。27年先のことまで決定していくUSGAの姿勢・全米オープンへの取り組みには、1895年に第1回の大会が開催された歴史と伝統を受け継ぐと同時に、将来へ向かって前進していく強い意志を感じます。