全米オープンは、ブライソンデシャンプーが優勝を果たしました。4日間のトータルスコアがひとりだけアンダーパー(6アンダー)という厳しいコース設定のもとで、本当に価値のある優勝です。また、彼にとっては初のメジャータイトル制覇となりました。
今まで彼は、大学で専攻した物理学理論に基づいた独特なプレースタイルで、周囲から奇異の目で見られることがありましたが、そのスタイルを貫いて今回メジャータイトルを取ったので、今後彼へ対するファンの見方、解説者の見方が間違いなくかわってくると思います。
デシャンブーの活躍でゴルフ界が大きく変わるかもしれないことのひとつに、彼が使用するアイアンは、シャフトが長さですべて同じで、7アイアンの長さに統一されているというものがあります。すべてのアイアンを、ボールから同じ距離の位置にスタンスして、同じスイング軌道でスイングすることができます。
ゴルファーにとって、クラブの長さが長くなればなるほど、ショットの難易度はあがります。3番、4番アイアンは、8番、9番アイアンに比べて、スイングするときにどうしても苦手意識が残ってしまいます。しかし、すべてのアイアンが7番アイアンの長さであれば、3、4番アイアンをもっと自信をもって振れそうな気がします。
ゴルフは、ある程度練習場で練習しないとコースに出れない、今からゴルフを始めてみようという人にとっては、かなり敷居の高いスポーツです。しかし、ひとつの長さのシャフトでアイアンが練習できれば、習熟のスピードもあがり、もっと早くコースデビューできそうです。もっと簡単にゴルフが楽しめて、ゴルフ人口が増えていくかもしれません。
もう1点は彼のパッティングスタイルです。シャフトと両手を完全に一直線にして、ストロークをおこないます。見慣れないので格好悪く感じますが、ある意味理にかなっています。というのは、パットする際に両手の肘、手首に曲がりがあると、緊張したときやプレッシャーかかったときに、曲がりの程度に変化が生じかねません。しかし、完全に伸ばした状態であれば、変化(くるい)というものは生じません。
今後、彼が優勝するたびに彼のスタイルが認められていくことが予想されますが、昨日のブログにも書いたように、多くの選手がメジャータイトルを取ったあと、その次の一勝に大変苦労します。中には1勝ができずに苦しんで、引退する選手も多くいます。デシャンブーにはそこをうまく乗り越えてほしいと思います。
以下の動画はリモートで両親から祝福をうけるデシャンブーの姿です。