デビュー当時は神「神の子(エルニーニョ)」と呼ばれたスペイン人のセルジオ ガルシア(40歳)は、米PGAで10勝、欧州ツアーで16勝をあげ、2017年には初のメジャータイトル「マスターズ」を獲得しました。
彼はコロナ禍による中断の後に米PGAツアーが、再開してもすぐに試合には出場しませんでした。ツアーの安全が確認できた8月より参戦しましたが、「WGCセントジュード招待」で35位タイ。同月の「全米プロ選手権」では予選落ち。9月に入って「セイフウェーオープン」と「全米オープン」でも予選落ちし、その後の大会には出場していません。
そのため世界ランキングが徐々に落ちてきて、2019年の終わりに39位だったものが、先週は48位となり、今週はとうとう51位となってしまいました。世界ランキング50位以内というポジションは、トップ選手としてはキープすることが必須条件となります。というのは、50位以内にいれば、4つのメジャー大会と4つのWGCの大会への出場資格があるからです。
データによれば、ガルシアは1999年から先週まで21年もの長い間、途中2010-11年のスランプ時期による中断をはさみ、世界ランキング50位以内のポジションをずっと保ってきました。そして、いままで世界ランキング50位以内に通算1000週間以上いた選手はわずか5人しかおらず、彼はそのうちのひとりとなります。その輝かしい記録がとだえてしまいました。このままずるずると順位を下げていくのか、あるいはまた優勝を重ねてトップ50位にカムバックして来るのか今後を見守っていきたいと思います。
最近世界ランキング50位以内からはずれた選手には、フィル ミケルソン(現在55位)とジョーダン スピース(同73位)がいます。反対に今年がルーキーイヤーなのに早くもランキング上位に躍り出た若手選手もいます。「全米プロ選手権」を制したコリン モリカワ(6位)、「全米オープン」で2位となったマシュー ウルフ(18位)、今年2月にツアー初勝利をあげたビクター ホブランド(29位)、チリ人選手ジャキム ニーマン(47位)などです。世界ランキング50位以内から脱落する選手にとってかわるのは、どんどん成長してくる若いフレッシュな力です。