今週の米PGAツアー「ZOZO選手権」に出場するフィルミケルソンが大会前の記者会見で、「ヒューストンオープン」が1日2,000人の観客を入れて開催されることについてコメントしています。
アメリカ本土で開催されるレギュラーツアーで、コロナウィルスが蔓延してその後初めて限られた数の観客を入れておこなわれる「ヒューストンオープン」は、11月5日より始まります。その翌週は今年最後のメジャー大会となる「マスターズ」がおこなわれます。
フィルミケルソンは、メジャー大会の前の週を最終調整に充てるタイプの選手ではなく、大会に出場して実践感覚を直前まで磨くタイプです。なので、「ヒューストンオープン」には今年も出場する予定にしていました。
しかし、観客を入れておこなうことになると、コロナウィルスに感染するリスクがたかまります。7月に米ツアーが再開してから、米PGAレギュラーツアーのすべての試合は無観客でおこなわれています。そして、すべての選手・キャディー・大会関係者は、PCR検査を毎日受け、陰性を確認された場合のみ会場入りを許されます。ここまで厳格に安全対策を施して大会を運営してきました。
しかし、その中に1日2000人、4日間で8000人もの観客が入ってきます。観客にはPCR検査をおこなわないので、その中には陽性の人がきっといるでしょう。そういう人が会場の中に入ってくるということは、選手にとって感染リスクが高まります。
感染するようなことになれば、本番ともいえる「マスターズ」で、体調不良のため実力が発揮できなかったり、最悪の場合出場できなくなります。
そのため、彼は「ヒューストンオープン」には出場せずに、同じ週に開催されるシニアツアーの大会「チャールズシュワブカップ選手権」に出るかもしれない。しかし、シニアツアーでも観客を入れて開かれている大会もあるので、この大会が観客を入れておこなわれるのであれば、コロナ感染リスクは同様となってしまうので、結局「ヒューストンオープン」に出場するかもしれない。と揺れる胸のうちを明かしています。
彼は、今年8月と今月シニアツアーで2勝あげたように好調さを保っています。この好調さを維持したまま、過去に3度優勝した「マスターズ」に臨みたい、そんな強い気持ちがあるのだと思います。
ミケルソンはことし6月に50歳となり、メジャーを制覇することがますます困難になっていきます。歴史上50歳をこえてメジャータイトルを手にした選手はいません。メジャーに優勝した最高齢は48歳です。1968年の「全米プロ選手権」をジュリアスボロスというアメリカ人が48歳で優勝しています。
もし、フィルミケルソンが今年の「マスターズ」を優勝すれば、マスターズ優勝回数が4となります。その記録は、ジャックニクラウスの6回、タイガーウッズの5回に次いで、アーノルドパーマーと並んで歴代3位の記録となります。