今週の米PGAツアーは「ヒューストンオープン」が開催されます。毎年マスターズの前の週におこなわれる大会で、マスターズが4月から11月に延期された今年も一緒についてきました。マスターズの出場枠は1つ空いており、この大会の優勝者には出場権が与えられます。
米PGAツアーは、3月にコロナウィルス感染拡大のため中断し6月に再開したのち、すべての試合が無観客で開催されてきましたが、この試合で初めて1日2000人のギャラリーを入れておこなわれるので、ひとつの大きな節目の大会になります。
マスターズの前の週の大会ということで、トッププロは出場し実践の中で仕上げていく選手と休みをとって最後の調整をおこなう選手の2つのタイプに分かれます。前者のタイプの筆頭は、世界ランキング1位のダスティンジョンソン。10位のテリルハットン、12位のブルックスケプカ、15位のアダムススコット、17位のトニーフィーナウなどの選手がいます。ただ、アダムスコットは、ツアー再開後にツアーの感染防止策が不十分として参戦が遅れたので、もっと試合経験を積んでマスターズに臨みたいという気持ちがあるのかもしれません。
後者のタイプの選手は、世界ランキング2位のジョンラウム、3位のジャスティントマス、5位のローリーマキロイなどの選手がいます。その中でマキロイは、ツアー再開時はランキング1位でしたが、その後優勝がなく5位まで順位を落としています。しかし、マスターズで彼がもし優勝すれば、4つのメジャー大会のすべてで優勝する「キャリアグランドスラム」という偉業を達成することになります。今までにわずか5人しか達成しておらず、ジーンサラゼン、ベンホーガン、ゲーリープレーヤー、ジャックニクラウス、タイガーウッズというそうそうたるメンバーの仲間入りをすることになります。
マスターズには3度優勝し、「全米オープン」を勝てばマキロイと同じように、「キャリアグランドスラム」達成となるフィルミケルソンは前者のタイプで、毎年「ヒューストンオープン」に出場していました。しかし今回ギャラリーが入るのでコロナウィルス感染のリスクが高まるため、出場をためらっていましが、結局出場することにしました。やはり最後の調整は、実践の中でおこないたいようです。