現地時間の火曜日(10日)「マスターズ」が開催されるオーガスタナショナルのクラブハウスでは、チャンピオンディナーが開催されました。
チャンピオンディナーとは、「マスターズ」が開かれる週の火曜日に歴代の優勝者が集い、夕食をともにするというイベントです。ベンホーガンが1951年の大会に優勝し、翌年の1952年に始めたといわれています。そのディナーでホスト役を務めるのは、前年の大会の優勝者で、供される食事のメニューも決定します。
昨年の「マスターズ」を優勝したのは、タイガーウッズなので今年のチャンピオンディナーは彼がホスト役を務め、出される料理のメニューも選びました。アメリカ以外の国の優勝者は、その国の代表的な料理を出したりすることがありますが、タイガーは自分が育ったカリフォルニアのご当地メニューの「すし」を用意すると以前から話していました。カリフォルニア州、特にサンフランシスコ、ロスアンゼルス地区は日本人が多く住んでいるので、日本食レストランが多くあり、タイガーも日本食を小さいときからよく食べたといっています。
今回、メニューのひとつとして出されたのが下の写真にある料理です。「オーガスタロール」と名付けられたこの料理は、ロールという名がしめるように「巻きずし」の一種です。それに今回舞台となるコースの「オーガスタ」を冠しています。
アメリカ全土にたくさんある日本食レストランでは、巻きものにその土地の産物を入れて巻き、その地名をつけてお客さんに出します。日本でもよく知られるようになったものが「カリフォルニアロール」で、中にカニとアボガドを入れ、マヨネーズで味をととのえた一品(ひとしな)です。
今回タイガーが名付けた「オーガスタロール」の中には、天ぷらにしたエビとスパイシーな味付けをしたマグロが入っています。そばにはガリもついています。日本人がすしに求めるシンプルさ、ピュアさのかけらも感じないみかけですが、それでも日本食が「オーガスタナショナル」のディナーのメニューに選ばれ、歴代のマスターズチャンピオンが食べたということは、とても喜ばしいことです。ちょっとどんな味だったか歴代チャッピオンの面々に聞いてみたい気もします。