今年の「マスターズ」は、ダスティンジョンソンが2位の選手に5打差をつけて、初優勝を果たしました。この5打という差も1997年にタイガーが初優勝したときに記録した12打差に次ぐ2番目の記録となり、タイガーの記録がすごすぎるだけで、今回はジョンソンの圧倒的勝利と言って差し支えありません。
ダスィティンジョンソンは、大学を卒業し2007年にプロに転向してから、いままで13年間ほぼ毎年米ツアーで優勝している数少ない選手です。今回が米ツアーで24勝め、メジャータイトルは2016年の「全米オープン」以来2つめとなります。
メジャータイトルというのは、世界トップレベルである米PGAツアーで、苦しみながらひとつひとつ勝ち星を重ねているうちに転がり込んでくるもののようです。メジャータイトル獲得数1位は18個のジャックニクラウスですが、彼は米PGAツアーで73勝(歴代3位)あげています。2位はタイガーウッズの15で、米ツアー通算82勝しており、これはサムスニードと並びトップタイ記録です。
最近は、ブルックスケプカのように米ツアー7勝のうち4勝がメジャータイトルという選手があらわれたり、11回のメジャー大会のスパンのなかで3回優勝したジョーダンスピーズのような選手が登場し、メジャー優勝が意外と容易に手に入りそうな感覚を覚えますが、この2人の選手の瞬間的なモーメンタム(勢い)が大きいだけです。今後彼らがニクラウス、タイガー、ダスティンジョンソンのように、ツアーカードをキープして長い競技人生を送り、確実に勝ち星を重ねていくことができるかどうかわかりません。あとで振り返ってみると、流れ星のような存在で終わってしまうかもしれません。
今回「マスターズ」に出場した松山英樹は、米PGAツアーで5勝の成績です。本人も周囲も5勝したから、そのうち2勝はメジャーに次ぐWGCの大会だから次は絶対メジャー優勝だと、どうしても思ってしまいますが、まだまだレギュラーツアーでの優勝回数が少ないのではないでしょうか。メジャー大会よりもひとつひとつのトーナメントを大事にしていく姿勢を今後続け、優勝回数を重ねていけば、ひょっとしたらメジャータイトルを手にするチャンスが訪れてくるかもしれません。