11月28日のブログで、米PGAが欧州PGAの関連会社に出資したことを伝えました。米PGAと比較して数段に財政的基盤が弱い欧州PGAへ、テレビ放映権ビジネスの拡大を狙ったテコ入れであると。
しかし、その後の報道によるともっと深い理由がありそうです。今回の資本参加を手始めに両者の関係を深め、将来的には2つのツアーが統合するという流れもあるようです。
過去においては、欧州ツアーはイギリスを中心に、最古のメジャー大会「全英オープン」を有して米PGAと張り合う関係にありました。しかし、米PGAがアメリカ流のプロスポーツビジネススタイルで、どんどん勢力を拡大し今では米PGAには太刀打ちできない状況になりました。
欧州のトッププレーヤーの多くはアメリカに居を構え、米PGAツアーを主戦場にしています。米PGAに対して財政的、規模的に大きく水をあけられた格好の欧州ツアーは、今回のコロナウィルス感染問題でも、開催地が世界中にあるため大変苦労しました。また、感染防止対策でも多大な出費をしています。
そんな苦境に立たされている欧州PGAに対して、新しいゴルフ組織(プレミアゴルフリーグ)の立ち上げを計画している投資家(レイングループ)が近寄ってきていました。このグループのバックにはサウジアラビアの巨大なオイルマネーがあり、欧州PGAとの関係を深めることで、新組織創設の足がかりをつくりたいという思惑です。
しかし、今回欧州PGAが米PGAの資本を受け入れたということは、欧州PGAは今後米PGAとの関係をより深める方向を選択し、そのことは、「プレミアゴルフリーグ」の創設に対してまったく関わらないという意志表示でもあります。今後欧州PGAがどう変わっていくのか注目です。