「全米女子オープン」予選ラウンドの2日間を終え6位につけているステイシー ルイスが、試合後のインタビューでおもしろいことを話しているので紹介します。
ルイスは地元テキサス州出身の選手で、いままでにメジャー2勝を含めて米LPGAで13勝をあげている35歳のママさんプレーヤーです。今季はコロナウィルスでツアーが中断・再開したのちの8月「スコットランド女子オープン」では、ママとして初めて優勝しました。
この大会でアマチュアの選手が上位に食い込んでいる理由について聞かれ、その理由はふたつあると話しています。1つめの理由として、プロは通常のトーナメントではトータル20アンダー位を目指してバーディーをとりにいかないと優勝できない。しかし、アマチュアの選手は日頃のトーナメントで、基本的にパーが取れればOK、バーディーがくればラッキーというマインドセットである。メジャー大会は距離があり、セッティングが非常に難しいので楽々バーディーは奪えない。そうするとアマチュア選手の戦い方がぴたりとはまり、好成績をあげているのかもしれない。
もうひとつは、無観客で試合がおこなわれていることである。アマチュアの選手はプロの試合に出場する以外、観客のいない静かな環境でプレーしている。いつもと変わらず静かにプレーできていることが功を奏しているのではないか。通常の大会であれば、ティーグランド、グリーンまわりには多くのギャラリーがいて、歓声・拍手に囲まれてプレーしなければならない。大きなミスを犯しても、ナイスショットを打っても、ギャラリーの大きな反応が返ってくる。そんな状況の中で、自分を見失わずプレッシャーに負けずに、自分のプレーをし続けることができるか。プロ選手はいつもそこが問われ、それに打ち克ってはじめて勝利をつかむ。今回の大会は無観客なのでアマチュア選手がいつもの試合スタイルで淡々とプレーをしている。そのせいではないだろうか。
確かに、日本国内の数少ない男子ツアーの試合においても、メジャー大会を含めてやたらアマチュア選手の大活躍が目立ちました。最近はジュニアの育成方法がよくなって、若手がどんどん伸びてきているんだとわたしは勝手に解釈していましたが、そうではないのかもしれません。無観客で開催されているということが、彼らに大きなアドバンテージを与えていたのかもしれません。
いつかコロナ禍が去って、トーナメントに多くのギャラリーが戻ってきたときに、今回大活躍したアマチュア選手達の真価が問われることになるのかもしれません。