アパレルメーカーのラルフローレンが、ジャスティン トマスとのスポンサー契約を解消しました。それもトマスが発したたった一語のせいで。
昨年の大会で優勝した選手と昨シーズンの最終戦「ツアー選手権」まで進出した選手で競う今年最初の試合「セントリートーナメント」での出来事でした。大会3日目に優勝が狙える位置でプレーしていたトマスは、4番ホールで短い距離のパーパットをはずしたときに、イラっときて思わず「Fag!」とつぶやいてしまいました。その場面は以下の動画に収められています。
彼の発した言葉は、男性の同性愛者を侮蔑する言葉で、決して公の場で使ってはならない言葉です。いままでのトーナメントであれば、グリーンを囲むギャラリーのためいきにかき消されるはずでしたが、無観客でおこなわれていた大会だったので、グリーン周りに設置されていた集音マイクがしっかりととらえ、そのままテレビ中継で流れてしまいました。
ホールアウトした直後のインタビューで、トマスは「発してはならない言葉だった。自分が未熟であった。」と謝罪のことばを口にしましたが、今週になってスポンサーのラルフローレンが声明を発表しました。
「トマスの最近の発言には落胆している。その言葉はわが社の標榜する価値観とは相いれないものである。彼が謝罪し、その発言の重大さを認識しているとはいえ、彼には契約料を払ってわれわれのブランドを広めてもらっており、今回の彼の発言は我々が維持する文化とは明らかに矛盾するものである。わが社を支えてくださる人々への責任を考え、今回トマス氏とのスポンサー契約を打ち切ることを決断しました。」
会社としていかなる形の差別も許さないというアメリカの企業の姿勢を如実にあらわしている事例だと思います。選手のほうも試合がテレビで放映される以上、感情のおもむくままの発言は厳に慎まなければなりません。
ラルフローレンは、彼の態度が今後変われば再契約を結ぶこともありうると述べているので、その点はトマスにとっては救いですが、次の試合からどんな服装で彼が試合に出場するのか少し気になります。