米PGAツアー「ファーマーズ インシュアランス オープン」3日目を終えて首位タイに立ったパトリックリードですが、ラウンド途中でボールの処理を巡ってトラブルが発生しました。
リードが前半のプレーを終え、折り返して10番ホール(パー4)に入ったところでした。彼のティーショットはフェアウェー左のバンカーに入り、そこからグリーンを狙ったショットはグリーンに届かずに左に大きくそれ、カート道の外側の深いラフに落ちました。
前日にかなりの雨が降って、コース全体はかなりぬかるんだ状態でした。自分のボールの近くに到着したリードは、ボランティアに「ボールは地面に落ちたあとで跳ねたか?」と聞き、そのボランティアは「跳ねたところは見ていない(注:跳ねていないとは言っていない)」と答えました。
そこでリードは、ボールが地面に埋まったとして、ルールオフィシャルを呼んで説明し、無罰で1クラブレングスの救済を受け、そのホールをパーでホールアウトしました。ここまでは別に問題のないプレーの進め方のようにみえました。
しかし、テレビ局と大会関係者が彼のボールの行方を追う映像を再生してみると、リードがバンカーから打ったボールは、地面に直接埋まったわけではなく、一度数十センチ跳ねてから前方で止まったことが判明しました。
一度跳ねたボールが地面落ちて埋まってしまうことはあり得ない話で、そうするとリードがルールオフィシャルを呼んで確認してもらったボールが埋まったあとは、いったい何だったのかということになります。自分で故意にこしらえた穴なのか、たまたま付近で見つけて穴なのか、その2つの可能性しかありません。埋まってもいないボールに対して、埋まっていると宣言し、無罰で救済を受けたということは明らかに不正な行為です。
リードについては、今までもプレーの不正が指摘されていて、前回大きな問題となったのは、2019年12月に発生したウエストランド内での行為です。詳細は当時のブログを参照ください。
https://worldgolfinformation.com/2019/12/08/
彼が米PGAのツアーメンバーのひとりというだけなら、そんな選手も数ある選手の中にはいるんだという程度で済ますことができますが、彼は2018年の「マスターズ」を優勝しているプレーヤーです。当然マスターズチャンピオンとしての振舞いが求められます。その周囲の期待にリードが応えていないところが、ゴルフファンとしては悲しいところです。