米PGAツアー先週の大会「ファーマーズ インシュアランス オープン」はパトリック リードが2位以下の選手に5打の大差をつけて優勝しました。彼については、昨日のブログで3日目に彼がおこなった行為について書きました。メディアでも彼の行為を非難する記事が多数見られましたが、最終日は4アンダーのスコアで上がってきました。
ふつうの選手であれば、あれだけ非難された翌日の試合では、精神的なダメージが大きく充分に力を発揮できないものです。特にゴルフは「メンタルなスポーツ」と言われるように、心の持ちかたによってショット・パットに微妙なくるいが生じます。ところがリードは違います。きっちりと優勝してみせました。
彼の優勝によって、今年の秋におこなわれる大会に関心が集まり始めています。9月22―27日にアメリカ ウィスコンシン州で開催される「ライダーカップ」です。アメリカとユーロが2年に1度、マッチプレーで競う伝統の大会で、昨年おこなわれる予定でしたが、コロナウィルスの感染拡大のため、1年間延期され今年開催されます。
この大会には賞金が用意されていません。支度金程度のお金しか支給されません。選手はお金のためではなく、国の名誉のために戦い、チームのメンバーに選ばれることは選手として最高に名誉なこととされています。
選手の選出方法については、ライダーカップ用ランキングというものが作成されていて、その上位6名は自動的にメンバーとなり、あとの6名については監督推薦で選出されます。リードは今回の優勝で、このランキングでも6位に入ってきたため、今のポジションを夏までキープするとメンバーとしてライダーカップに出場できることになります。
問題は、強いけれどもダーティーなイメージが定着したリードをメンバーに入れて、チームが一丸となり勝利に向かって進むことができるかという点です。最近の対戦成績で劣勢であるアメリカチームは、自国開催となることしの大会ではどうしても勝たなくてはなりません。
ことしの大会は、限られた人数の観客の入場が許されるはずです。その中にはヨーロッパチームを応援する観客も当然います。アメリカチームの選手、とくにリードについては、ひどいヤジが飛んでくることは間違いありません。2019年の「プレジデントカップ」のときのように。
リードをどう扱うか、アメリカチームのキャプテン、スティーブ ストリッカーの苦悩は続きます。