エリック コンプトン

今週の米PGAは、「ホンダ クラッシック」がフロリダ州で開催されます。先週の「プレヤーズ選手権」と来週の「WGCデルマッチプレー」という大きな大会2つの間の週に開催されるため、多くのトッププロは今週を休養に充てています。

この大会に「マンデークオリファイアー(月曜予選会)」を勝ち抜いて、エリック コンプトン(41歳)という選手が大会に出場することが決まりました。米PGAツアーの大会は、世界中からトッププロが集い、技をきそう場所ですが、彼のように大きなハンデを背負いながらもこの舞台でプレーする選手がいます。

ハンデの大きさでは、間違いなくツアー中一位か二位を争うのがこのエリック コンプトンです。彼はいままでに2度も「心臓移植」手術を受けて、それでもなお現役としてプレーを続けています。現在は下部ツアーを舞台としていますが、今回の予選会では7アンダー65のスコアで上位4名枠の中に入ることができました。

最初の移植手術は12歳のときで、その後リハビリのために始めたゴルフにのめりこみ、ぐんぐん才能を開花させ、プロゴルファーになりました。二度めの移植手術は2008年で、その時は彼もさすがにもうダメだと思い、病院に搬送される途中で親戚、友人にお別れの電話をしたと言います。

コンプトンは米PGAツアーでは未勝利ですが、2012年から2014年にかけてツアーカードを保持してプレーし、2014年にはメジャー大会「全米オープン」で2位に入っています。また「ホンダ クラッシック」では2013年に4位タイに入っており、とても相性のいい大会です。

すでに40歳をこえ、いまも感染防止のために毎日たくさんの抗生物質を服用しながらプレーを続けるコンプトン。一日も長くプレーを続け、我々に勇気と力を与え続けてほしいと思います。

若い選手がインタビューなどで「見ている人に感動と勇気を与えたい。」とか言っているのをよく耳にしますが、あなたのように人生経験の浅い、挫折を味わったこともない選手から生まれたプレーでは感動するひとなんかほとんどいない。クラプトンのようにいつ自分の心臓が止まるかわからない、その恐怖をいつも感じながらそれでもゴルフを続けていく。いつかまた米PGAのツアーカードを取り戻してやるという強い信念でゴルフに臨む。この生きざまには本当に感動します。

「ホンダクラッシック」は、エリック コンプトンに注目です。