ミケルソンのキャディー ティム

「全米プロ選手権」の最終ホールで、優勝を決める短いパットをカップに入れたあとで、フィル ミケルソンはグリーン上でキャディーとしばらくの間抱き合ったままでした。

ミケルソンのキャディーを務めるのは弟のティム ミケルソンです。昨年11月に開催された「マスターズ」で優勝したダスティン ジョンソンのキャディーを務めていたのも、ジョンソンの弟オースティンでした。

ミケルソンの弟ティムも小さいころからゴルフを始め、カリフォルニアのサンディエゴ大学でゴルフ部のコーチをしたあと、ミケルソンの母校であるアリゾナ州立大学のゴルフコーチを5年間務めました。その時に入部してきたのが、現在世界ランキング3位のスペイン人ジョン ラウムです。ラウムの才能にほれ込んだティムは、ラウムの卒業と同時にコーチの職を辞して、ラウムのマネージャーになりました。しかし、フィル ミケルソンが25年もの長い間一緒にプレーしてきたキャディーと契約を解消したため、そのあとを引き継ぐことになりました。ミケルソンはティムと組んでから、今回の優勝を含めて米PGAツアーで3勝、チャンピオンツアーで2勝をあげています。

選手と専属のキャディーの関係もなかなかむすかしいところがあります。キャディーの立場でどこまで選手に進言するか、選手のことを考えてどこまで言いにくいことが言えるか?あんまり、ずけずけと本当のことを言うと、「もういい!あしたから来なくていい!」と言われて職を失います。選手が雇用主ですから。

でも、もしそれが血を分けた兄弟であれば、言われたことに腹がたって、その時は言い争いになったり根に持ったりしても、それがずっと後をひくということがありません。数日後には、しこりを残さずにまた二人でやっていくことができます。

ミケルソンは、今回メジャー大会史上最年長となる50歳11か月7日で、「全米プロ選手権」を制しましたが、今後どのようにプレーしていくのでしょうか?今回の優勝による達成感のようなものによって、米PTAツアーへのこだわりが少しうすれて、年相応のチャンピオンズツアーの方へ少しずつ軸足を移していくのか、それとも、今回の優勝でまだまだ米PGAで充分やれると考えて、レギュラーツアーでプレーしていくのか?ウオッチしていきましょう!