「第121回全米オープン」は、スペイン人ジョン ラウムがメジャー大会初優勝を飾り、幕を閉じました。ラウムは先にホールアウトして、後続組のルイ ウーストヘイゼンのプレーを見守る展開になりましたが、あがりの17番、18番で決して短くないパットを決めて連続バーディーを奪った瞬間には、何か勝利を予感させる凄みのあるプレーでした。
ラウムは2週間前の「メモリアル トーナメント」で、3日目を2位に6打差をつけてホールアウトして、ラウムの優勝はほぼ間違いないと誰もが思いました。しかし、当日朝おこなったラウムのPCR検査の結果が陽性と判明し、最終日の試合に出ることができなくなりました。優勝の大きなチャンスを逃していたので、今回は本当に見事なバウンスバックです。
米PGAではこのように、ドラマ以上に劇的な展開があるのでやみつきになってしまいます。
2位の終わったウーストヘイゼンのほうには、悲しいドラマがあります。先月の「全米プロ選手権」でも2位タイに終わっており、今回の2位を含めると、メジャー大会で2位あるいは2位タイに終わった回数はすでに6回にも達します。どうしてもメジャー2勝目に手が届きません。
ウーストヘイズンはほぼ無名時代だったときに、2010年の「全英オープン」を優勝して一躍世界的に名を知られるようになりました。その後、欧州ツアー、南アメリカツアーでの優勝はありますが、米PGAツアーでの優勝がありません。今回はアメリカ本土での優勝という周囲を納得させる実績もかかっていましたが、残念ながらこちらのほうも逃してしまいました。
ウーストヘイズンもすでに38歳です。通常40歳を過ぎると優勝がだんだん難しくなるので、残された時間も限られてきます。現在調子がとてもよく、メジャー大会で連続して2位タイ、2位になっています。そして、来月は優勝経験のある「全英オープン」が開催されます。ウーストヘイズンのバウンスバックに大いに期待しましょう。
6月13日のブログで「全米オープン」の優勝者予想をしておりました。その検証結果は
コリンモリカワ 4位タイ
ポールケーシー 7位タイ
パトリックリード 19位タイ
次回はもっと予想精度を上げようと思います。