東京オリンピック 男子ゴルフの結果

男子ゴルフは、アメリカ人エグザンダー シャフレが優勝して金メダルを獲得し、2位にはスロバキア人のローリー サバティーニが入り、3位は7名によるプレーオフの結果、台湾のC.T パンが銅メダルを手にしました。普通のゴルフトーナメントでは1位がすべてで、3位決定戦などおこなわれることはありませんが、オリンピックでは金・銀だけでなく、銅メダルを誰がとるのか決める必要があり、3位タイに7名が入ったため3位決定プレーオフがおこなわれました。

この大会で、銀メダルを獲得したローリー サバティーニという選手はあまり知られていませんが、非常にユニークな選手です。45歳という出場選手中最高齢での快挙でした。生まれ育ったのは南アフリカ共和国で、米PGAでプレーし通算6勝をあげていますが、10年前の「ホンダクラシック」以来優勝がありませんでした。今季も直近の過去4試合で予選落ちしています。

サバティーニは、4,5年前から再婚した奥さんの母国スロバキアの市民権を獲得する手続きをスタートし、将来スロバキアからオリンピックを目指すことを表明していました。祖国南アフリカにはルイウーストヘイゼン、ブランダン グレースなど強力な選手がいるため、出場することが無理なので、スロバキアから出場するのだと、当時は批判の対象となっていました。

かつて、日本でもお笑い芸人が、オリンピック出場資格国内基準が低いカンボジアに国籍を移して、マラソンに出場しようとしたことがありました。まったく同じ構図です。しかし、仮に市民権や国籍を移して第三国からオリンピックに出場できたから言って、そうやすやすとメダルがとれるものではありません。その意味でも、45歳の年齢で銀メダルを獲得したサバティーニには脱帽です。

サバティーニは3日目までまったく話題にのぼりませんでしたが、最終日を首位から7打差の17位でスタートして、1イーグル、10バーディー、2ホギーの61という驚異的スコアでホールアウトしました。エグザンダー シャフレがバックナインで少しもたついた時は、プレーオフになるのではないかという雰囲気になりましたが、シャフレが17番でバーディー、18番をパーとして、サバティーニを一打差で振り切りました。

このブログでオリンピック男子ゴルフ優勝者を予想していましたが、見事的中いたしました。

https://worldgolfinformation.com/2021/07/29/

わたしが優勝候補としたアメリカ4選手のうち、エグザンダー シャフレが優勝、コリン モリカワが4位タイの成績でした。ジャスティン トマスとパトリック リードはふたりとも22位タイに終わっています。

最後に、NHKのゴルフ中継の中で、最終組よりかなり早い組でプレーして、暫定2位に立ち練習場にいたローリー サバティーニに話しかける笹生優花の姿が映し出されていました。ふたりの間には今までに接点はないと思われるので、おそらく笹生のほうから話しかけたのだと思われます。コースレコードのスコアで上がったサバティーニに、コースの攻略方法などを聞いていたのかもしれません。勝利に対する貪欲さがうかがわれます。

あさって4日から始まる女子ゴルフ競技には、笹生はフィリピン代表として出場します。今年の「全米オープン」で優勝し、メジャー初タイトルを手にした彼女は、間違いなく優勝候補のひとりです。「全米オープン」のプレーオフで彼女に敗れた畑岡なさにとっては、雪辱をはらすチャンスです。また、アメリカからはコーダ姉妹、レキシートンプソン、ダニエルカンと言った強豪が金メダルをとりにやってきます。韓国勢の存在も脅威となります。女子ゴルフのほうも楽しんで観戦しましょう。