米ツアーのシーズン最後を飾る「プレーオフシリーズ」の初戦となる「ノーザントラスト」は、台風が接近するという予報のため、最終日のプレーを日曜日から月曜日に順延して開催されました。
月曜日のプレーも前日までに降った大雨の影響で、コース整備に手間取って約4時間遅れて試合が始まりました。この試合は首位タイからスタートした世界ランキング1位のジョンラウムが有利と見られていましたが、彼は15番と18番でボギーを叩き3位に終わりました。
試合のゆくえは、後半追い上げて首位タイに並んだトニー フィーナウとキャメロン スミスによるプレーオフに持ち込まれましたが、プレーオフ1ホールめのティーショットを、スミスが大きく右に曲げてOBとしたため、あっけなくフィーナウの優勝が決まりました。
世界ランキング22位の位置にいるフィーナウは、今まで米ツアーで1勝しかしていません。今回の優勝は、2016年3月、WGCの大会「デルマッチプレー」と同じ週に開催される格下の大会「プエルトリコオープン」以来5年ぶりの2勝目となります。しかし、この間に39回トップ10に入り、そのうち8回は2位に甘んじていました。
そのため最近の彼に対する評価は、実力は間違いなくトップクラスであるが、最終的に「決め切ることができない選手」というものでした。しかし、今回の勝利で周囲の見方も変わってきます。まだ31歳と若い選手なので、今後の活躍が期待できます。
プレーオフで敗れたキャメロン スミスは、オーストラリア人で28歳。東京オリンピックでは10位タイに入っています。10位といっても、銅メダルを決めるプレーオフに残った7名の選手にわずか1打及ばない成績です。
また、先々週の「WGCフェデックス招待」もたいへん無念な展開となりました。最終日、18番ホール(パー4)をパーであがれば、松山英樹、アブラハム アンサー、サン バーンズと一緒にプレーオフに進出できる状況でした。しかし、スミスはティーショットを右に曲げ、林の中に入れてしまいます。木の枝に遮られてグリーンを狙うにはわずかな隙間しかありません。彼はその隙間を通そうとして2打目を打ちましたが、ボールは枝に当たりOBとなってしまいました。このホールをダブルボギーとしてプレーオフ進出を逃し、優勝のチャンスを失ってしまいました。
フィーナウのように、優勝できなくてもくさらずに努力し続けていけば、スミスにも近い将来きっと大きなご褒美が待っているような気がします。