パトリック キャントレーがプレーオフ6ホールめでブライソン ディシャンブーを破って優勝した「BMW選手権」の最終日の規定ラウンド中に、ふたりには以下のような出来事がありました。
14番ホール(パー4)の2打めを打とうとするディシャンブーは、アドレスに入っていましたが、グリーンに向かって歩いていくキャントレーが気になって、「パトリック、歩くのをやめてくれる?」と言っています。
この言葉は歩く姿が視界に入って本当に気になったためなのか、そんなに気になっていないが、対戦相手に心理的に少し動揺を与えるために発したのかは不明です。
ディシャンブーは、仕切り直しをして打ったこのショットで、先に打ったキャントレーの内側につけることができず、2パットのパーで終わりました。しかし、キャントレーはディシャンブーの言葉に全く動じることなく、21フィートの長さのパットを沈めてバーディーとしました。
試合後の記者会見で、キャントレーはこのディシャンブーのコメントについて聞かれ以下のように答えています。
「彼はただわたしに歩くのをやめてほしかっただけだろう。われわれは競技員からプレーのスピードを上げるように言われたばっかりだった。わたしは歩くスピードがあまり速くないので、ボールのところへ先に行こうとしたんだ。ブライソンの発言のようなことはプレー中にはよくあることで、大したことではない。」
ひょっとすると、ブライソンは自分がアドレスに入っているのに、キャントレーが歩くのを止めないのは、自分がショットに集中しようとするのを邪魔しようとしているのだと勝手に判断して、止まってくれと発言したのかもしれません。
しかし、ブライソンのプレーが遅いのは有名な話で、今日も早くプレーをするように競技員から注意されているのだから、同伴競技者がスタンスに入っているときに歩き始めても構わないんじゃないかと考えたかもしれないキャントレーの立場もわかるような気します。
ブライソンは才能があり、いままでの選手とはゴルフに取り組む姿勢がまったく異なります。まだ27歳ですが、すでに「全米オープン」のタイトルを含めツアーで8勝をあげています。ただ、メディアとの、ブルックスケプカとの、カメラマンとの、ギャラリーとの軋轢や衝突が最近多すぎて、将来が少し不安になってきます。