米ツアープレーオフ第2戦「BMW選手権」は、最終日トータル27アンダーで並んだパトリック キャントレーとブライソン ディシャンブーによるプレーオフ決戦となり、6ホール目をバーディーとしたキャントレーが、ディシャンブーを振り切って優勝し、「ZOZO選手権(米国で開催)」、「メモリアルトーナメント」に続き今季三勝目をあげました。
ふたりは最終日を最終組で首位タイからスタートしました。キャントレーは、米ツアーナンバーワンの飛距離を誇るディシャンブーに、ティーショットを30ヤードから40ヤード常に置いていかれましたが、アプローチショットとパットの正確性で応じ、プレーオフまでもつれこみました。
バックナインではとくにキャントレーのパットの冴えが光りました。ディシャンブーが1打差リードして迎えた18番(パー4、476ヤード)で、ともにパーオンしましたが、ディシャンブーはカップまで12フィートとバーディーチャンスの位置につけましたが、キャントレーのほうは21フィートの距離を残しました。
先に打つキャントレーは、このバーディーパットを入れなければ、より近くにつけているディシャンブーの2パットで優勝が決まります。落ち着いてラインを読んだキャントレーはこの絶体絶命のパットを見事にねじ込んで見せました。
ディシャンブーは12フィートのパットを入れなければ、プレーオフになってしまうため、今度は彼のほうに大きなプレッシャーがかかります。ディシャンブーはこのパットをはずしてしまい、優勝はプレーオフに持ち越されました。キャントレーのこの18番のパットがきょうの勝負の分かれ目と言っていいでしょう。
そのプレーオフでもなかなか勝敗がつかず、6ホール目でようやくバーディーを奪ったキャントレーが、ディシャンブーを下して優勝を決めました。以下の動画がその瞬間です。
”Drive for show, putt for dough.”というゴルフの諺があります。「ドライバー(の飛距離)というのは見世物で、パットはお金(dough)のためにおこなうもの」いう意味ですが、まさに今日の試合を言い当てているようです。プレーオフ6ホールめで決めたバーディーパットもけっして短いものではありません。
いよいよ来週はプレーオフ最終戦「ツアー選手権」がおこなわれ、シーズンが終了します。この大会は非常に珍しいフォーマットで開催される大会で、出場する30名の選手のうち上位の選手にはハンディキャップが与えれています。
今週の「BMW選手権」を制してフェデックスポイント首位に立ったキャントレーは、4日間の大会を10アンダーからスタートします。初日パープレーでホールアウトしてもスコアは10アンダーです。ポイント2位のトニー フィーナウは8アンダーから、3位のブライソン ディシャンブーは7アンダーから、4位のジョン ラウムは6アンダーからそれぞれスタートします。
来週の「ツアー選手権」では、大会の優勝者とは別に、フェデックスポイント最多獲得選手が年間最優秀選手(フェデックスチャンピオン)となり、1000万ドル(約11億円)の賞金を手にします。