ソルハイムカップ

今週のLPGAは「ソルハイム カップ」がアメリカオハイオ州で開催されています。「ソルハイム カップ」とは、欧州の女子プロとアメリカの女子プロが、2年に1度チーム戦で競う大会で、「ライダーカップ」の女性版にあたります。今回の大会が17回目となり、過去16回の対戦成績は、アメリカの10勝6敗となっています。

試合は2人組と個人戦でおこなわれますが、マッチプレーでおこなうため、毎回いろいろと、双方が闘志をむき出しに言い争う場面がおこります。

大会初日午後の二人組プレーで、東京オリンピックで金メダルを獲得したネリー コーダたちの組は、12番ホールを終えてイーブンと互いに譲らない展開でした。彼女は13番グリーンで曲がりの大きいバーディーパットを打ちました。ラインに乗ったボールはどんどんカップに近づいていきましたが、ほんの数ミリ届かずにカップに顔をのぞかせた状態で止まってしまいました。

すると、相手チームの選手が「OK」として、そのボールを拾い上げてコーダのほうに投げてよこしたのです。マッチプレーの試合の中では、ごく普通にみえる行為ですが、両チームが言い争う原因となりました。

アメリカチームが主張したのは、ルール13.3Aの規定にある「ボールの一部がカップのふちにかかっていた場合、打ったプレーヤーはボールのところへ行くための正当な時間が許され、さらにもう10秒間がボールがカップに落ちるかどうか見極めるために与えられる。」

に触れる行為が相手チームにあったということでした。

与えられた時間の間そのままにしておけば、風か重力の力で入ったかもしれないボールを、相手チームが勝手に拾い上げてしまった。こちらのチームの選手に与えられている権利を侵害してしまったと。

ルール協議員は、ビデオでボールの止まっている状態を確認して、ホールの一部がカップにかかっている、そして相手が拾い上げなければボールは入ったと判断し、コーダの打ったパットはバーディーと見なし、パーで上がった相手チームに対して、このホール勝ちとしました。

拾い上げた選手は、相手チームが次に打つパットでボールは間違いなく入るので、ルールについてあまり深く考えないで、ボールを拾ったのでしょうが、「このホール負け」という高い代償を払うことになりました。

我々アマチュアゴルファーとしても、マッチプレーでプレーするという機会はめったにありませんが、たまにはじっくりルールブックに目を通すなど、ルールについてもっと知ろうという姿勢をもつことが必要なのかもしれません。