米PGAツアーに対抗して、新しいリーグを立ち上げようという動きについては、26日のブログで書いています。いままで構想が持ち上がっては消え、持ち上がっては消えることを繰り返していましたが、来週また新たな発表がある予定です。
https://worldgolfinformation.com/2021/10/26/
新リーグ創設の主催者が、今週メディア関係者を集めて詳細を説明し、感触を探っています。そして、来週には正式な発表があります。
かん口令が敷かれているため、詳細はまだ伝わってきませんが、ひとつだけはっきりしていることは、新リーグのコミッショナーにはグレッグ ノーマン(66歳)が就くということです。ノーマンはメジャー2勝(全英オープン2回)、米ツアー20勝の実績がある選手で、現役を引退後も、コース設計やさまざまなビジネスを手掛けています。
今まで何回か書いてきましたが、プロゴルフ選手の立場というのはプロ野球選手やプロバスケットボール選手とは異なります。プロ野球選手などは、チームと契約してチームに所属します。契約(再契約)を結ぶときには契約金がもらえ、年俸が保証されます。しかし、ゴルフの場合、どこにも所属することなくひとりでプレーします。米PGAツアーは、選手に出場資格を与えて、プレーする機会をつくりますが、収入を保証することはいっさいありません。
世界最高のレベルである米PGAツアーでプレーを続けていくためには、実力は欠かせませんが、お金も必要になります。アメリカ国内を移動し滞在する費用・キャディー、マネージャー費用はもちろんのこと、体をケアするトレイナー、スイングコーチ、必要とあらばメンタルコーチやパッティングコーチの助言も欠かせません。
これらの費用は、試合に出て予選を通過した後もらえる賞金とスポンサー契約料でまかなっていきますが、予選を通過できないこともあります。上位に入賞しなくては賞金の金額も少なく、赤字になってプレーが続けられなくなるかもしれません。でもそんな不安のなかで、なんとか上位入賞あるいは優勝していかなくてはなりません。非常に厳しい環境です。
新リーグ構想では、選手は多額の契約金をもらってチームと契約し、その年の年俸は保証されます。その上でチームに大きな貢献をすればボーナスも支給されます。こういう安定した立場に身をおいて、ゴルフに専念していく。ここに魅力を感じる選手が出てきてもおかしくありません。