年配の方の中は、ケーシー マーティンというプロゴルファーの名前をご記憶の方があると思います。スタンフォード大学に進んでゴルフを続け、一時期タイガー ウッズともチームメイトだった選手です。卒業後プロに転向し、下部ツアーを経て1999年より、米PGAツアーでプレーを始めました。
しかし、彼には生まれつき右足に血行障害があり、長い距離を歩くことが苦痛で非常に困難だったのです。なので彼は米PGAを相手に、米ツアーの試合にカートの使用を認めるよう訴訟をおこしました。最終的に最高裁まで争った裁判ではマーティンは勝訴しましたが、当時は同僚のプロゴルファーにも、ファンにもあまり好意的に見てもらえませんでした。
病気そのものが珍しく、世間によく知られていなかったこともありますが、厳しいトレーニングと練習に耐え、競争に勝ち抜いて米PGAツアーのメンバーになった。そのために要求される体力と18ホールを歩いて回れないというギャップにどうしても違和感をぬぐいきれなかったためです。
しばらくして、マーティンはツアーカードを失って試合に出る機会がなくなり、2006年に故郷のオレゴン大学のヘッドコーチに就任しました。そして就任したその年にすぐ、オレゴン大学チームをNCAA1部の大会で優勝に導いています。また、2012年にはマーティン自身が、地区予選を勝ち抜いて「全米オープン」に出場しました。結果は予選落ちでしたが、不屈の闘志です。
しかし、マーティンは2年前自宅の前の道路の段差につまずいて、病気のあった右足を骨折し、血行障害がさらに悪化してしまいました。病状はだんだん悪化して、先日右足の膝のすぐ上の部分から下を切断する手術を受けざるを得なくなってしまいました。
幸い右足すべてを切断しなくて済んだので、今後は義足をつけて歩行できるようになるそうです。人生を決して投げ出さず、新たな挑戦にいどむマーティン。次回は何を達成してメディアに取り上げられるのか、楽しみに待っていたいと思います。