来年2月3日から中東のサウジアラビアで「サウジ インターナショナル」というトーナメントが開催されます。4年目の開催となる新しい大会ですが、今年の大会の模様については2月5日のブログに書いていますので、ご一読ください。
今年2月の大会は、欧州ツアーのトーナメントとして開催され、ソフトバンクグループの関連会社がタイトルスポンサーとなっていました。近年サウジアラビアが国際スポーツに力を入れ始め、その一環としてゴルフトーナメントも始まりました。しかし、その後皇太子がトルコ人ジャーナリストの暗殺に関与したとして国際的に非難の声があがり、出場をためらう選手も出てきました。今年の大会は少しほとぼりもさめたせいか、米PGAツアーからトップクラスの選手が多数出場しました。
しかし、来年の大会は大きく変化しています。ことしの大会までは欧州ツアー競技として開催されていた「サウジインターナショナル」ですが、来年の大会から格下のツアーである「アジアンツアー」のひとつとして開催されます。
「サウジ インターナショナル」がアジアツアーに移動した理由は、昨年から男子プロゴルフ界を揺らし続けている「スーパーゴルフリーグ」設立の動きが影響しています。高額の年俸でトップ選手を集め、チーム戦として年間10数試合を戦うという新リーグの創設です。この動きの背後にはサウジアラビアの巨額オイルマネーファンドがあることがわかっており、米PGAも危機感を強めました。選手の流出を恐れて、スーパーゴルフリーグの選手として契約をした場合、2度と米PGAツアーには戻ることはできないと選手に通知を出したほどです。
米PGAツアーと提携関係にある欧州PGAツアーは、この動きに呼応して「サウジ インターナショナル」を来年から欧州ツアーより除外したため、行き場を失った「サウジ インターナショナル」はアジアツアーに移らざるを得なくなりました。
過去3回の大会で優勝2回、準優勝1回というすばらしい成績をおさめているダスティンジョンソンは、この大会とのつながりが深く今回も出場の意志を表明していますが、今回は事前に米PGAに対して出場許可を申請し、許可が降りれば出場するかたちをとっています。
「スーパーゴルフリーグ」構想を提唱しているグループは、完全にあきらめたわけではありません。チャンスをうかがってまた持ち出してきそうです。