黒人プロゴルファーのリー エルダーが11月28日、呼吸器系疾患のため亡くなりました。リーエルダーと言っても一般のゴルフファンにとってはほとんど知られていな選手ですが、今年のマスターズで、ゲーリー プレーヤー、ジャック ニクラウスとともに名誉スターターをつとめた選手と言えば、ご記憶のかたがあるかもしれません。
マスターズ初日のプレーの前に、かつてアーノルドパーマー、ゲーリープレーヤー、ジャックニクラウスの3人が名誉スターターとしてティーショットを放っていましたが、2016年にパーマーが亡くなってからは、プレーヤーとニクラウスの2人がおこなっていましたが、今年のマスターズからあたらしく、リー エルダーが加わりました。
エルダーは写真からわかるように、鼻から管を通して酸素を吸入しているため、ティーショットを打つことはできませんでしたが、オーガスタナショナルGCの会長から紹介されると椅子から立ち上がり、パトロンから大きな拍手で迎えられました。
彼は1975年に黒人プレーヤーとして初めて「マスターズ」に出場した選手として記録に名をとどめています。招待されて出場しても、クラブハウスへ入ることが許されず、駐車場の車のそばで着替えをしたと述懐しています。この時は予選落ちをしましたが、その後「マスターズ」に5度出場し、1979年には17位タイの成績を残しています。通算米PGAツアーで4勝し、シニアツアーで8勝を挙げました。
オーガスタナショナルGCは、さまざまな差別に対してゴルフ界をリードして取り組んできました。世界的に有名な名門コースとしては比較的早い時期に女性メンバーを受け入ましたし、最近の取り組みとしては、子供たちのために「ドライブ、チップ & パット」という大会を始め、アマチュア女子ゴルファーのために「オーガスタナショナル女子アマチュア」という大会をスタートさせました。
名誉スターターについては、来年すぐに誰かを補充ということにはならないでしょうが、数年たって、次に誰が選ばれるか、なぜ選ばれたかその理由についても注目していきましょう。