毎年7月に「全英オープン」を主催するR&Aは雑誌社の取材に対して、毎年アジアツアーの年間最優秀選手に与えていた出場資格を、来年(2022年)の大会から与えないことにしたと答えています。
アジアツアーはあと2試合でシーズンが終了し、年間最優秀選手が決まります。そしてその選手には「全英オープン」への切符が今まで手渡されてきましたが、それが今回変更されることになりました。
現在アジアツアーのランキング1位で、年間最優秀選手になる可能性がもっとも高い選手は、ウェイド オームズビーというオーストラリアの選手ですが、第150回という節目の大会で、セントアンドリュースのオールドコースが開催される「全英オープン」に出場する資格を手にすることができません。
変更の理由についてはR&Aは、「定期的に出場資格の見直しはおこなっており、そのひとつである。また、どんな変更であっても大会実行委員会によって話し合われ決定された結果である。」と回答していますが、どうも他に理由があるというのがゴルフ関係者の見方です。
というのは、最近米PGAツアーに対抗するかたちで、有力選手を引き抜いて新リーグを創設しようとしているサウジアラビア系のファンドグループが、ことしになってアジアツアーに資金を投入し、影響力を強めようとしています。
ファンドグループの影響下に入ったアジアツアーの年間最優秀選手に、「全英オープン」への出場権を与えることを、米PGAツアーと友好的な関係にあるR&Aとしては、到底継続していくことはできない、彼らを利することになる現行の制度はただちに変更しなければならない。
以上のような判断のもとに今回変更されたとみるのが、やはり真実味がありそうです。