金谷拓実

USAトゥデイーの電子版が、12月20日付けの世界ランキングをもって2021年の最終ランキングが確定し、「マスターズ」を含め大きな大会に出場する資格が与えられる50位以内のポジションへ、ちょうど1年前のランキングから大きく飛躍して入った選手を特集している。

1位はサム バーンズというアメリカの選手で、ことし米ツアーで2勝し、昨年の順位154位から12位に入ってきた。2位はミンウー リーというオーストラリア人で欧州ツアーで2勝をあげ、172位から49位に順位をあげた。そして、3位に入ったのが金谷拓実である。123位から50位へと73もランクアップしている。

彼が、更に上位にいくためには、DPワールドツアー(旧欧州ツアー)か米PGAツアーのツアーカードを獲得し、スポット参戦ではなく、試合にコンスタント出場する環境をつくることが必須である。スポット参戦した試合で、優勝すればDPワールドツアーでも米PGAツアーでも即ツアーカードは手に入るが、それは非常に困難。

出場した試合で優勝はできなくても、トップ5、トップ10入りの実績を積み上げて、シーズン終了時に、米PGAツアーのケースで言えばポイントランキング125位以内に入れば次の年のツアーカードを手にいれることが可能。そのためにはスポンサー推薦をもらうなどして、なるだけ多くの試合へ出場する機会を得なければならない。

世界ランキングで50位以内の位置をキープしておけば、4つのメジャー大会と4つのWGC選手権には出場できるが、日本ツアーを主戦場としてプレーしている限り、ランキング算出のためのポイントを多く稼ぐことが難しいので、50位から落ちてしまう可能性が高い。そのためにも、DPワールドツアーか米PGAツアーのツアーカードが必要となってくる。

金谷は、アジアから世界を目指す選手にとっては登竜門と言える「アジアパシフィックアマ選手権」を2018年に優勝し、その翌年には連覇を賭けてプレーオフまでいったが惜しくも敗れ、松山が達成した二連覇には届かなかった。しかし、アマチュアとして日本ツアーで優勝し、プロ転向後すぐにツアー優勝を果たし、すでに3勝をあげている。これまでの実績はけっして松山にひけをとってはいない。

ひけをとっていないということは、今後米PGAツアーやDPワールドツアーの試合でどれだけ経験をつむことができるか、これ次第で松山が達成したマスターズ優勝に並ぶ成績をおさめるポテンシャルを秘めていると言ってけっして過言ではない。

来年の金谷の活躍に大きな期待をもってウオッチしていきましょう。