フィル ミケルソンが、米PGAツアーから800万ドル(約9億2000万円)を受け取ることになったとSNS上でツィートしました。米PGAはまだ正式に決まったわけではなく、第三者機関による監査を受けたのちに発表するとコメントしています。
米PGAは今年の8月、ツアーでの成績とは関係なく、ツアーに大きく貢献したプロゴルファーに対してボーナス(プレーヤー インパクト プログラム ボーナス)を支給すると発表しました。その一環としてミケルソンがお金を受け取ることになったのです。
どの選手がいくら受け取るのかについては、米PGAは5つの判断基準をもとに選定するとしています。その5つとは、グーグルでの検索回数、海外メディアにどれだけ報道されたか、SNSでのビュー回数、テレビ視聴率、人気となります。
このボーナスプログラムについては、サウジアラビアのオイルマネーをバックにしたファンドが、米PGAツアーで活躍する主力選手を高額な移籍金・年俸で引き抜いて、新しいリーグを作ろうとする動きへの対抗措置と見られています。
総額4000万ドルのこのプログラムのうち、最高金額800万ドルがミケルソンに、そして 2番目の金額600万ドルがタイガーウッズに渡されます。
ミケルソンは、SNSでの発信力もあり、昨年は50歳という年齢で「全米プロ選手権」を優勝し、メジャー大会の最高齢優勝の記録を塗り替えました。まだまだ実力も、人気も、そして影響力も大きな選手です。
タイガーは、昨年2月の交通事故が大怪我を負って、その後公式戦ではプレーしていません。それなのに600万ドルものボーナスをもらうことについては、いろいろな意見も出ていますが、先月自身がホストをつとめる大会「ヒーローワールドチャレンジ」の大会前記者会見の席上で、「怪我が完治してツアーに復帰したとしても、わたしが新リーグに移ることはない。なぜなら、自分のレガシー(数々の偉業)は米PGAのもので築いてきたものだから。」と明言し、米PGAツアーを100%擁護する発言をしました。このことが大きくポイントを稼いだようです。
サウジのファンドは、昨年「アジアンツアー」に多額の投資をして影響下に収めましたし、米PGAツアーに対抗する新リーグの創設についてもまったくあきらめていません。グレッグノーマンだけでなく、米PGAツアーでルール協議役員だった人物、NBAでチームの運営にかかわった役員などを雇い入れ、スタッフを増強してきています。
ことしはどんな新たな動きに出てくるのか、目が離せません。