この2年余りサウジアラビアのファンドマネーが、米PGAツアーで活躍するトップ選手を引き抜いて、新たにチーム戦による新リーグを作ろうとしていることが、選手たちを動揺させてきました。
この動きに対して、ローリー マキロイ、ブルックス ケプカは早い段階で加わらないことを表明し、ジョン ラウム、ジャスティン トマス、コリン モリカワといった選手も最近不参加の態度を明らかにしていました。
これまで明確に態度を表明せずに、ひょっとして移籍するのではないかとうわさされていた世界ランキング6位のダスティン ジョンソンが、現地時間の20日に新リーグには加入せず、今後も米PGAツアーでプレーを続けることを発表しました。この数時間後にはブライソン ディシャンブーもツイッターで不参加を表明しました。
ジョンソンのコメントには、「米PGAツアーという世界で一番のフィールドでプレーできる機会に感謝し、同時に米PGAがこれまで自分と家族に与えてくれたすべてのものにも感謝します。」という文言が含まれていました。
それに対して、ディシャンブーのコメントには、「世界トップクラスの選手が米PGAツアーでプレーする限りは自分もそうする。」とあり、もしトップクラスの選手の多くが移籍するんだったら自分も移籍を決めるというニュアンスが読み取られ、周囲の流れをみて自分の進む道を決め、覚悟というものがまったく感じられません。
https://twitter.com/b_dechambeau/status/1495482361437376512/photo/1
これでは、今後も決してあきらめないであろう新リーグ創設サイドからの新たな揺さぶりに対していつかなびいてしまうのではないかと思われ、米PGA側の信用も失ってしまいます。ディシャンブーについてはつい最近、以下のブログに書いたようなこともありました。
https://worldgolfinformation.com/2022/02/05/
ディシャンブーは、コロナによるツアー中断の最中に肉体改造に取り組み、飛距離を大きく伸ばし注目されました。現在米ツアー選手の中でトライバーの飛距離は1位です。2020年の「全米オープン」を含み米ツアーで8勝をあげ、今後もどんどん実績を積み重ねていきそうです。しかし、今回の騒動のなかで彼の信念というか信条という部分に疑問符がついたことだけは間違いありません。