サウジアラビアの政府系ファンドが、米PGAツアーに対抗するかたちで創設しようとしている「スーパーゴルフリーグ」は、2月20日にダスティン ジョンソンとブライソン ディシャンブーが不参加を表明したことで、先が見通せない状況に陥りました。
人気も実力もあるジョンソンとディシャンブーは、最後まで態度を明らかにしていなかったため、スーパーリーグ側に移籍するのではないかと噂されていましたが、このふたりが今後も米PGAツアーでプレーを続けることを表明したため、スーパーゴルフリーグ構想は暗礁に乗り上げたかたちになっていました。
しかし、スーパーリーグをコミッショナーとして推し進めるグレッグ ノーマンは、現地時間の16日、ことし6月から10月までの「スーパーゴルフリーグ」スケジュールを発表しました。その内容は以下のとおりです。
試合は54ホール形式で予選カットはなく、48人の選手が12のグループに分かれて個人戦と団体戦を同時に戦うというもので、第一試合は6月9日からロンドンで、第二試合は7月1日からアメリカ オレゴン州で、第三試合は7月29日からアメリカ ニュージャージー州で開催され、それ以降は秋の開催となります。
米PGAツアーは、メンバーに対して「スーパーゴルフリーグ」に加わった選手は永久に戻ってくることはできないと締め付けを強めています。しかし、スーパーゴルフリーグ側は現在の米ツアーと選手の関係において、選手が米ツアー以外の試合に出場することを禁止するのは、独占禁止法違反の疑いがあるとして法廷闘争も辞さない構えです。
米ツアーでプレーする選手の立場は、プロバスケットボールや大リーグの選手ように、選手が球団と契約を結んで契約金をもらい、1年間の給料が保証されているかたちとはまったく異なります。米PGAは主催する試合に出場する資格を選手に与えるだけで、報酬はまったく保証していません。選手は予選を通過して本選に進まなくては、賞金を手にすることはできません。また、試合で各地を転戦する移動費、ホテル代などもすべて自分持ちで、過去に得た賞金で賄わなければなりません。
それなのに、米PGAツアー以外の団体が主催する試合には出場ができないというのでは、選手にとって収入を得る手段が限られ、一部のトッププロを除きプロとしての生活が非常に厳しくなります。確かに、米PGAツアーが選手を不当に拘束しているというスーパーゴルフリーグ側の主張には一理あります。今後の展開に注目です。