米PGAのPIP制度

昨年度から米PGAツアーは、PIP(Players Impact Program)制度を始めました。この制度については、過去の当ブログの後半部に書いていますのでご一読ください。

https://worldgolfinformation.com/2021/09/02/

当初は誰がいくらもらったか公表されない予定でしたが、ゴルフメディアが入手した情報によると

1位 タイガー ウッズ  800万ドル

2位 フィル ミケルソン 600万ドル

3位 ローリー マキロイ 350万ドル

4位 ジョーダン スピース 350万ドル

5位 ブライソン ディシャンブー 350万ドル

6位 ジャスティン トマス   350万ドル

7位 ダスティン ジョンソン  300万ドル

8位 ブルックス ケプカ    300万ドル

9位 ジョン ラウム     300万ドル

10位 パバ ワトソン    300万ドル

同じ金額なのになぜ順位に差がついているのかは不明です。おそらく端数がありそれを丸めた金額なのかもしれません。

このPIP制度が創設された理由は、有力選手を高額の移籍金と年俸で引き抜いて、米PGAに対抗する「スーパーゴルフリーグ」を創設しようというサウジアラビア国営ファンドの動きに対して選手を引きとめる対策とみられていました。

これまで、米PGAは選手のふさわしくない行為に対して罰金を科したり、出場停止の処分を下した場合でも、誰にどんな処分を下したかまったく公表してきませんでした。今回のPIPについても当初誰にいくら支給するか発表しない方針でした。

しかし、昨年末にフィル ミケルソンは、自分がPIP制度から受け取る金額が選手の中で最高金額であると金額をSNSで発表しました。しかし、その後スーパーゴルフリーグに関する自身の発言が大騒動を巻き起こし、謝罪したうえで休養すると宣言しました。

たとえミケルソンが史上最年長の50歳で、メジャー大会「全米プロ選手権」を優勝したとは言え、米PGAに対して不利益となるような行動と発言をした選手が、米PGAツアーへの貢献度NO.1として最高金額をもらうというのは、どう考えても米PGAツアーとして好ましくないという判断が働いたのでしょう、ふたをあけてみると、タイガーウッズが最高金額を受け取ることが判明しました。

タイガーには800万ドルが支給されますが、彼は昨シーズン自動車事故の怪我のため公式戦には1試合も出場することができず、年末に息子チャーリーと組んで「PNC選手権」に出場したのみです。しかし、機会あるごとに「わたしはスーパーゴルフリーグを支持しない。移籍することはない。なぜなら自分のいままでのレガシーは米PGAツアーの中で築いてきたものだから」と米PGAツアーを100%擁護するコメントを発してきました。その功績が大きく認められたかたちです。

来季はPIPプログラムによって支給される総額が4000万ドルから5000万ドルへ増額されることが決まっています。